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Interview@philiahall


夢見るメルヘン、ソプラノの魅惑のアリアとオーケストラの名曲を。
ソプラノ:市原 愛

2011年10月22日(土)15:00

市原 愛

 

10月22日(土)、今年も「マエストロ茂木大輔によるオーケストラな世界」がやってきます! 大喝采を受けた記念すべき昨年の第1回公演「モーツァルト、魅惑する歌姫たち」に続き、第2弾のテーマは「魔法のおとぎ話〜モーツァルトからウェーバーへ」。注目のアリアを聴かせる新進ソプラノ市原愛さんにはインタビューを、聴きどころのメッセージを茂木さんご本人からいただきました。

茂木大輔さんからのメッセージ メッセージを読む

茂木さんとの初共演はいつのことでしょうか。

2009年秋です。まだ直接お会いする前から、プログラムの選曲のために、当時私が住んでいたドイツのミュンヘンと日本とで何度も何度も熱いメールの往復があったために、いよいよお目にかかったときには初めてという気がしませんでした! 私が通っていたミュンヘン音楽大学の先輩でもありますので、ご縁を感じています。

ドイツでの想い出、印象に残っていることはありますか?

8年にわたったドイツ生活の大きな転期は、3年目にエディット・ヴィーンズ先生と出会ったことにあるといえます。先生のエピソードは、ルネ・フレミングの本にも登場しているのです! 先生のレッスンはとても独特でしたが、すべてを言葉で表現し教えてくれました。私にも同様に、何語でもよいのでとにかく自分の言葉で身体に起きていることを説明するように求めました。コンクールやオーディション前夜など、必ず先生から電話が入って携帯ごしにレッスンが始まったり、アウトバーン(ドイツの高速道路)を走っている車中でレッスンが再開して大声で歌ったり…。そんな熱心な先生のお陰で、コンクールに入賞できるようにもなりましたし、またそのコンクールの一つ一つが、ヨーロッパでのコンサート活動や劇場の契約へと繋がっていきました。

市原 愛

今回はモーツァルト「魔笛」、ウェーバー「魔弾の射手」のアリアを歌っていただきます。

皆さんもご存知の“メルへン”という言葉は“おとぎ話”という意味のドイツ語です! “ヘンゼルとグレーテル”や“白雪姫”などの有名なメルへンがたくさん収められているグリム童話も、ドイツで生まれたものです。モーツァルトの父レオポルト・モーツァルトは、私が劇場生活をしていたアウグスブルクという街で生まれました。“モーツァルトの街”と皆誇りに思っていましたが、それはザルツブルクでも、ウィーンでも、少しでもモーツァルトにゆかりのある街では同じでした。そういった様子を目の当たりにし、モーツァルトをより特別で大切に思うようになりました。「魔笛」パミーナのアリアは、ミュンヘン音楽大学の入試でも日本モーツァルト音楽コンクールで優勝したときにも歌った、自分の喉の調子を知るバロメーターとなっている作品の一つです。オペラ後半でふっと雰囲気が変わり、パミーナの切ない心がよく表れたアリアです。「魔弾の射手」エンヒェンのアリアは、素敵なオーボエ・ソロとの掛け合いがあります。茂木マエストロが厚い信頼をおく日本フィルの注目の若きオーボエ奏者、杉原由希子さんと共演します。

お客様へのメッセージをお願いします。

先日、東急田園都市線の車内で公演の広告を見つけました! 私自身、横浜市出身ですので、今回初めて地元のフィリアホールで歌わせていただけることを心から嬉しく思っております。青葉台にはロッククライミングをしに来たこともありますし、この沿線はペットを連れて楽しめる場所も多いので、とても気に入っています。実は3月の震災の折に福島県で被災した犬を、保護し育てているんです。もともとドイツで飼っていたチワワもいましたから、今は2匹です。保護している犬は、名前も年齢も分かりませんし、飼い主さんの情報もありません。でもその犬と日々過ごすうちに、生命の尊さや、人生における運命、奇跡、さまざまなことを考えさせられるようになりました。そして、何やらまだ自分でもハッキリは分からないのですが、“歌うこと”についても、本能的に大きな変化がありました。とにかく秋が待ち遠しいです! 客席とステージの距離も近いですし、お客様と一緒に楽しい公演にしていきたいです。