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英国ノッティンガム便り  −ロイヤル・センターで研修中−
Vol.1
ロイヤル・センターのバックステージツアー


 

劇場の全景
ロイヤル・センター外観(左が劇場、右がホール)
  9月某日、劇場のバックステージツアーに参加した。劇場の裏側をスタッフの説明を受けながらまわる「バックステージツアー」はどの劇場もやっているが、この劇場では俳優がコスチュームに身を包み、芝居仕立てで案内するのがポイント。(参加費£3.50=約780円) ロイヤル・センターは、シアター・ロイヤルという劇場(現在は1186席)と、コンサートホール(2499席)の2つから成る。
  まずはシアター・ロイヤル。1865年ヴィクトリア時代に作られて、何度か改装工事を繰り返しながらも、当時の面影を残している伝統的な劇場である。日本では、バブル以降に建設された新しいホールが多いが、イギリスでは、ロンドンで最新のミュージカルをやっているような劇場も意外に古く歴史がある。今回のツアーの説明にもあったが、当時それまで来られなかったような労働階級の人たちも劇場通いをするようになり、全国で何百もの劇場が建てられたそうだ。
劇場エントランス
劇場エントランス
  面白いのは、階級によって入るドアまで違ったこと。今は5つのドアのどこからも入れるのだが、昔は、右の2つのドアは中産階級(ミドルクラス)がアッパーサークル(3階)に入るため、左の2つのドアは上流階級(アッパークラス)がドレスサークル(2階)にあるボックス席に座るために使われ、完全に壁で仕切られていた。更に庶民は、また別の入り口からベンチのような席に座っていたので、劇場オープン当時、席数は2200もあったとのこと。プライベート・ボックス席は、一部が当時のまま残っているが、舞台の横にあるので、舞台の半分はよく見えず、舞台ではなく客席の方を向いている。つまり貴族が「見るため」の席ではなく、「見られるため」の席だったのだ!
 舞台に上がって客席を見ると、1186席もあるとは思えないほど客席が近く感じられる。舞台の裏の黒い壁は、1865年のオープンの時のまま。そして楽屋では、すすり泣く幽霊の話が…(昔本当に出たらしい!)。
ドレスサークルから見た客席内
ドレスサークルから見た客席内
  それからボックスオフィス(チケットセンター)の前を通って、1982年に完成した新しいコンサートホールへ。こちらは、もともと劇場の楽屋だったところに1898年にエンパイアシアター・オブ・バラエティーという劇場を建設し、更にそれを完全に取り壊して新しいホールにしたものである。日本でよく見る大きな多目的ホールといった感じ。こちらも客席、舞台袖、楽屋口とまわって、劇場の表に帰って来た。「ようこそ21世紀へ!」という訳。
  改装を重ねながら140年も使われ続けている劇場、そして最新設備を備えた新しいコンサートホールは、まさに古いものと新しいものがうまく共存するイギリスをよく表している。

 

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