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2008年1月からスタートする、ピアニスト小山実稚恵の「作曲家の想い」シリーズ。2年に一度のペースで全6回、最終回はなんと2018年! 第1回目の「ラフマニノフの想い」に向けて、小山さんにインタビューをお願いしました。
壮大なシリーズがはじまりますね。
全6回それぞれの回で、とても思い入れの深い6人の作曲家の作品をご紹介します。記念すべき初回は、なかでも最も愛着のあるラフマニノフです。第2回目の2010年は、生誕200年にあたるショパンを演奏します。この年はシューマンも生誕200年なのですが、次の2012年にとりあげる予定です。続く2014年は、バッハのゴールドベルク変奏曲。2000年のバッハ・イヤー企画でフィリアホールでも演奏させて頂きましたが、14年経って私のゴールドベルクはどのように変わっているのかと、私自身楽しみです。2016年はシューベルトの遺作から2曲、そして、最終回2018年は、ベートーヴェンの最後の3つのソナタで締めくくります。
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| photo©松浦一生 |
今回のプラグラム「ラフマニノフの想い」について、お聞かせください。
ラフマニノフは本当に大好きな作曲家です。ロシアの鐘、大地の香り、ほの暗い景色をたっぷりと感じさせてくれます。ロシア革命後、アメリカに亡命してからは、摩天楼の輝きを髣髴とさせるようなエキゾチックな香りのする作品を書いていて、ピアノ協奏曲第3番などに代表されるように、どの曲も大変魅力的です。
今回演奏する前奏曲集と練習曲集は、選曲や曲順にとても悩みましたが、めりはりや調性を考慮して、全体としてまとまりが出るように組み立てました。ラフマニノフ自身がアンコール曲の定番としていつも演奏していた、通称「クレムリンの鐘」、前奏曲Op.3-2から始まり、トナカイの鈴やきらきらとしたスターダストを思わせるOp.32-12、左手のたおやかな流れの上に右手のまさに”胸キュン!”のメロディが聞こえてくるOp.23-6、エキゾチックかつエネルギッシュで中間部に「夏の思い出」のメロディーの短調版が出てくる(笑)Op.23-5など、10曲を選びました。練習曲集「音の絵」は、ドラマチックで有名なOp.39-5を含む6曲を演奏します。どれもみな練習曲というだけあって、ピアニスティックな作品ばかりです。
ピアノ・ソナタ第2番は、芸大の大学院修了演奏会でも演奏した思い出の曲です。オリジナルは1913年作曲で一般的に冗長と言われ、今回は1931年の改訂版をもとに演奏します。ラフマニノフは、謙虚な人柄だったのでしょう、他人からの忠告や助言に影響され、改作を重ねた作曲家として知られています。この曲は、ロシア時代に作曲され、亡命後に手を加えられていますが、改訂版はカットしすぎてこじんまりした感じもするので、和音などを加えて演奏することになると思います。小山実稚恵版でしょうか(笑)。晴、曇、寒など、色彩の変化に富んだプログラムで、ラフマニノフならでの華やかなヴィルトゥオーゾを存分に楽しんでいただければと思います。
長く活動をされてきて、これからの目標はありますか。
もっともっと自分が感じたままに弾けるようになりたいです。ホールの響きやピアノの状態は毎回違いますし、気候や天気などによっても響きは色々な影響を受けますから、常に弾き方は変わってきます。また同じ曲でも、演奏会の始めに弾くのと終わりに弾くのとでは、曲の役割も異なります。どんな状態にもすぐ対応できるように、いつもニュートラルな状態でいたいですね。結局自分の弾き方は人に教わる事はできず、自分で発見し自分で作っていくしかないんですよね。何かを追求することは限りなくリスクと隣り合わせですが、そのことを常に忘れないでいたいと思います。
最後に、「作曲家の想い」シリーズに向けて、お客様へメッセージをお願いいたします。
長いシリーズですが、今からとてもわくわくした気持ちでいっぱいです。今までピアノを弾き続けてきた中で感じた様々な想いを込めて、1人の作曲家について深く掘り下げていきたいと思っています。それぞれの曲に隠された作曲家のメッセージを感じ取って頂ければ嬉しいです。どうぞ皆様、楽しみに聴きにいらしてください。
ピアノと同じくらい「食べること」と「猫と遊ぶこと」に一生懸命だとか。「生でスポーツ観戦するのも大好き」と、きらきらした目でこちらに語りかけてくる小山さん。その旺盛な好奇心で、これからも新しいことにチャレンジし続けるのだろうなと改めて感じたインタビューでした。
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