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Interview@philiahall


神秘の世界への誘い
マリンバ&パーカッション : 加藤訓子

2008年2月23日(土)18:00
加藤訓子

 

2008年2月23日(土)女神との出逢いシリーズに初登場する、打楽器奏者の加藤訓子さんに都内ホテルでお話をうかがいました。

打楽器を始めたきっかけを教えていただけますか。

 家にピアノがあり、姉が習っていたこともあって、幼い頃から早速ピアノとヤマハ音楽教室に通い始めました。難易度の高い曲にどんどん進んでいき、コンクールに出たりもしたのですが、どこかで本当はもっと純粋に音楽を楽しみたいという気持ちがあったのだと思います。中学生になった頃に自己に目覚めて、自分で何をやりたいのか考えるようになって始めたのがマリンバでした。ヤマハの先生がマリンバを演奏していたこともあり、マリンバのための曲を書いたりしていましたし、打楽器に触れる機会もありました。マリンバの独特の響きに惹かれ、音を体感する、リズムと音だけで感じられる自由な音楽があることに気づいたのです。

加藤訓子
photo©Michiyuki Ohba

プロになるきっかけはあったのでしょうか。

 まったく意識していませんでした。そのまま自然に打楽器を演奏していたら、それが仕事に繋がり、積み重ねて今の自分があるという感じです。

今回のプログラムはどのように決められたのでしょうか。

 ホールに合った空間作りが、私にとって、いつもプログラムを考える上での重要な要素です。打楽器は、楽器の種類も音も様々ですが、その多様性だけでなく、さらに一歩踏み込んで、音が空間に広がっていく神秘性を感じてほしいと思うのです。「打楽器って初めて聴いた。すごい!」だけではなく、限られたこの2時間の中で、どこか未知の世界に行くような体験をしていただきたい。音の力ってすごいですよね。その瞬間に出会えたら、次の日から自分の中で何かが変わっていくかもしれない。そんなことを思いながら、1曲1曲のつながりやセッティングなども綿密に考え、全体を作ってゆきます。

今回演奏される曲を、使う楽器も含めて、いくつかご紹介いただけますか。

 最近特にマリンバのルーツに興味があるんです。もともと何かを叩いて音を出すという行為は、原始的で、人間が言葉を習得する以前からあったものです。アフリカには、長さの違う板を並べて、下にひょうたんがついているバラフォンという楽器があります。マリンバが今のように立ち上がり、下に共鳴するパイプがついたのは19世紀頃のメキシコと言われており、さらに改良を重ねてこんなに大きな姿になっていったようです。今は5オクターブが世界のソロ規格の基準になっていますが、そんなマリンバのルーツを表現しているのが、自作の「ルーツ・オブ・マ・リンバ」、木片を足に乗せて叩くパフォーマンスが最近とても評判がよいです。他にはメキシコの作曲家J.アルヴァレスの「テマスカル」はマラカスと電子音楽の融合で、文句なしに楽しめる曲。J.ウッド作曲の「ロゴサンティ」では、ここまで大きくなるかというくらい、たくさんの打楽器を使います。半音階のさらに半分のクオーター(1/4)音が出てきたり、インドネシアのガムラン音楽で使う巨大なゴングも登場します。一方、ジェフスキの「大地への賛歌」では、楽器は植木鉢と語りというとてもシンプルなものです。もちろんマリンバの耳に馴染みのあるメロディも流れます。

これからの目標を聞かせてください。

 自分自身を確立させて、身体をしっかり作りたいですね。打楽器の演奏は、セッティングに気を使ったり、曲によって演奏する楽器が違ったり、集中力を維持するのが大変です。頭では整理ができてやっと自分のものにしても、それを越えた上で、自由になることが難しい。同時にいい音を奏でるには、一つの音から次の音へ行く過程で最も無駄が無く、ベストな身体的ポジションでその音を出せなければなりません。そのためにも単に体力とか筋力という以上に無駄の無い、フレキシブルな動きを実現できる身体が不可欠です。よって出した音のパワーがもっともっと増して、高く上っていき、まるで宇宙と交信できるような、そしてそこにいるお客様と一体になれるような空間を創りたいですね。さらに私自身ももっと自由になりたいです。

普段の気さくな話ぶりとは対照的に、コンサートではまるで何かが憑依したかのように音楽に向かう姿も見せる加藤さん。「私自身音楽でありたい」との言葉どおり、きっとお客様一人ひとりに様々な想いを呼び起こしてくれます。是非、「加藤訓子の世界」をフィリアホールで体感してみてください。

インタビュー
 
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