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Interview@philiahall


自然の音をギターで
ギター:大萩康司

2008年7月3日(木)11:30
大萩康司

 

新シリーズ「らん・らん・ランチにいい音楽」のトップバッターとして登場するのは若手ギタリストの代表格として大活躍中の大萩康司さん。忙しいスケジュールをぬってメールでお話を伺いました。

過去に何度かご出演いただいているフィリアホールの印象を教えて下さい。

とても街と近い関係にあるホールだなというのは、初めて演奏したときにも感じました。響きはとても良いのに、なんとそういうホールが、足を運びやすい大型ショッピングセンターの中に存在している!ということ。青葉台東急スクエアのキャンペーンモデルとして舞台に出演させていただいたときも、青葉台駅をおりた瞬間から、自分のポスターが大きい円柱いっぱいに貼られているのをみて驚きました(笑)。自分の住んでいる街にあんなホールがあったら、間違いなく毎回の催し物を、買い物ついでに(笑)チェックしにいくでしょう。良い意味で、それくらい生活の中に音楽を取り入れられる環境ができているホールだと思います。

ギターを始めたきっかけを教えて下さい。

もともと私の母は趣味でギターを弾いていたのですが、私と兄2人の子育てをすることで忙しくなり、一時期弾けなくなってしまったようです。しかし私が小学校に入ったら少し手が空いたらしく、ギターを再開したのです。まず兄がギターを始め、それにつられるように一人遊びの好きだった私も、ギターが格好のおもちゃになりました。音楽、というか音に対しての興味は前からあって、よく人のいうことをおうむ返ししたりして怒られたり、鳥の鳴き声をまねてみたりして遊んでいました。それがギターをちゃんと先生に習うと、旋律楽器(当時の私にとってはピアニカや縦笛…)としても成り立つし、伴奏も一緒にギター1本でできてしまうことに気付いて、さらに遊べる幅が広がりました。
 そして小学校4年生の給食の時間に、学校放送で1人1人が自分の夢について語るコーナーがあって、もうその時「ギタリストになりたいです!」と宣言してしまったのでした!! 九州男児たるもの、それから後には引けなくなったのですね(笑)。後に引こうとも思わないくらいの魅力がある楽器であることを、その時から感じていましたよ。ほかにもトランペットをかじってみたり、お習字で六段までいったり、中学校高校とハンドボールのゴールキーパーをやったりしましたが、結局最後まで続いたのはギターだけでした(笑)。

プロになろうと思ったきっかけや転機はありましたか。

プロになろうと思ったのはその給食の時間の放送の時(笑)から ですが、正直なところ、小学生でプロとはどんなものかなんて、分かるはずもありません。「これからプロになるんだ」と思ったのは、キューバのハバナ国際ギターコンクールを受けて、受賞をきっかけにCDを録音することになってからですね。1枚のCDをリリースするにあたって、何人もの人が関わってくる、そうやって自分自身に「責任感」というものが備わってきてから、ようやく「プロになるんだ!」と肝が据わってきました。

大萩康司

大萩さんのギターの音は、1つ1つがとても繊細で、静かに耳を傾けたくなるような魅力にあふれています。理想の音、あるいは音楽作りといったものはありますか。

正真正銘、宮崎の自然に囲まれた「田舎」で育ったので、学校の帰りに川で泳いだり、山でかくれんぼしたりして遊んでいました。そこにはいろんな自然の音が鳴っていて、それが鳥の鳴き声であったり、木が風に揺らされて葉っぱがこすれる音であったり、山の中をこだまする雷の音であったり、川の流れる音だったりしたのです。それらの音は常に新鮮で驚きもあり同じものがなく…、しかし耳に自然に入ってきます。そういう音を楽器を使って出せたら良いなと思っているんです。音楽の流れは既に譜面の中に書かれています。私はそれをなるべく正確に読み取って、まるで、今初めて演奏されているような音楽を「構築」していくことに集中しながら演奏しています。それが聴いてみて自然な流れに聞こえていたら、大成功です。

今回のプログラムの聴きどころを教えて下さい。

今回は、既にたくさんの演奏家によりアレンジされたであろう名曲の数々を演奏します。それが武満徹という一人の作曲家の意思を通じてアレンジされたらこんな曲になるんだ、という新たな発見をしていただけたら、とてもうれしく思います。それに加えて、私が演奏することで、自分自身の意思や感情も加わり、音として出てくるものは更に立体的なものになっていたらよいなと思います。

お客様へのメッセージをお願いします。

生演奏を目の前で聴くという体験は、録音を聴くのとは全く違う空気を感じられます。それを身近に感じることのできるフィリアホールで、是非実感していただけたらと思います。

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