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Interview@philiahall


未来に羽ばたく若きピアニスト
ピアノ:田村響

2008年9月18日(木)11:30
田村響

 

ウィークデーのお昼のコンサートシリーズ“らん・らん・ランチにいい音楽”が7月から新たにスタートします。9月に登場するピアニスト田村響さんは、昨年10月、フランス・パリにて行われた「ロン・ティボー国際音楽コンクール」で日本人として15年ぶりに優勝した期待の逸材。インタビューを通して、弱冠21歳の若者の素顔に迫りました。

ピアノを始めたきっかけは何ですか。

実は、習い始めはよく覚えていません。母がピアノの先生で、兄2人はヴァイオリンを習っていて、音楽が当たり前のように周りにある環境でした。

「小さい頃はピアノを習っていた」という人は一般的にかなり多いと思いますが、そうならなかったのは何故でしょうか。

もちろん興味があって、ピアノを弾くのが好きだったからです。与えられた課題以上に曲をこなすことを楽しんでやっていました。テレビ番組の「THE夜もヒッパレ」が始まる時間まではきちんと練習する(笑)と決めたりしていましたね。転機といえば、中学に入ってから、それまでは地元の先生だったのが、外国人の先生に変わったことです。どうしようかと思い悩んでいるときに、うまくステップアップできたのです。それから“負けず嫌い”の性格。何事も自分で克服しないと気がすまないたちなので、壁を乗り越えるのを繰り返すうちに現在に至っています。

田村響

ピティナ・コンペティション、園田高弘賞コンクールなど、数々のコンクールで優勝されています。

ピティナのコンクールは、先生に勧められるがままに、小学校1年で初めて受けたのですが、その時は全国大会に進むことができずに地区本選5位だったのです。悔しくて、次からは気合が入りましたね。8月の終わりに全国大会なので、いつも夏休みは練習づけでした。でも、コンクール1位というのは、出場者の中でたまたま相対的に評価が高かっただけのこと。まわりと比較すると自分を見失うことがあるので、常に絶対的な基準をもって、音楽を高めていくことだけを意識するように心がけています。

現在ザルツブルクで勉強されていますが、いかがですか。

片田舎の小さな町ですが、とても心が落ち着く場所ですね。すべてが便利でスピーディな時代に、ゆったりと自分の波長と合っている気がします。何といっても、クラシック音楽の本場で生の音楽を聴けますし。

今回のコンサートの曲目について教えてください。

まず、今一番勉強しているドイツものの曲を弾きたくて、モーツァルトとも迷いましたが、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「テンペスト」を選びました。あとはバランス良く、曲の傾向が偏らないように、バッハ:イタリア協奏曲とショパン:スケルツォ第1番を入れました。ストラヴィンスキーのペトルーシュカは、技巧的に難しくて最後にふさわしく盛り上がる曲で、先生にも薦められて挑戦します。

ロン・ティボー国際音楽コンクールで優勝されて、これからますます期待されますね。目標を教えてください。

あくまで自分のペースでやってきて、今は自然な流れの延長線上にいます。その流れは変わらないと思いますし、変えるつもりもありません。それに、まだまだと思っているうちは幸せですよね。さらに成長できるプロセスを楽しめるわけですから。もっともっと上手くなって、ピアニストとして、長く太く濃密に生きていきたいです。

受け答えの実直さは、迷いなく一直線に伸びてゆく若木のよう。普段はスポーツ好き、カラオケでは、ゆず・ミスチルが十八番。これから先、どんな影響を受けて“田村響”にどう色づけされていくのか楽しみなところですが、まずは今回のコンサート、お昼の1時間のプログラムにしては、言葉どおり“濃密”な曲目をそろえてきた彼の“やる気”に注目です。

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