楽都ザルツブルクのハウス・ムジーク(家庭音楽)を起点として、今や世界最高峰に駆け上ったハーゲン弦楽四重奏団。自らの道を切り開き、充実を極めるクァルテット、待望のオール・ベートーヴェン!
第1ヴァイオリン=ルーカス・ハーゲン 第2ヴァイオリン=ライナー・シュミット ヴィオラ=ヴェロニカ・ハーゲン チェロ=クレメンス・ハーゲン
[オール・ベートーヴェン・プログラム] ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番へ長調Op.135 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」Op.95 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調Op.131
[料 金]:S¥7,000 A¥5,000 2回シリーズセット券S¥14,000(フィリアホールチケットセンターのみでのお取り扱い) 【学生券(当日残席がある場合のみ)¥1,000】 [フィリアホールメンバーズ先行予約締切]:1月17日(木)18:00 [一般発売]:残席僅少 [チケット取扱]:フィリアホールチケットセンター TEL 045-982-9999(10:00〜19:00) [主 催]:フィリアホール
ザルツブルク(オーストリア)出身のハーゲン・クァルテットは、10年以上にわたってプログラム構成におけるバランス感覚に大きなこだわりを持って、その芸術活動の方向性を定めてきた。膨大な音楽遺産ともいえる古典作品と、決して容易ではない挑戦を伴う弦楽四重奏のための現代作品。彼らの広範なレパートリーはそのいずれに対しても選択と準備において常に真摯で責任感ある姿勢を保つことで培われてきた。 弦楽奏者の親のもと、音楽的環境の中で育ったルーカス、アンゲリカ、ヴェロニカ、クレメンスの4人兄弟は、結成時からオーストリア・スタイルの編成を貫き、作品の主題、楽章、そして全体の性格付けをどのようにするか、常に知識と情熱を持って決断してきた。そして様々な形があるとはいえ、ある程度確立されている弦楽四重奏の演奏に自分たちの明確な個性を添えることも決して忘れることはなかった。以上のことを踏まえれば、彼らが個人個人の変化やメンバー交代を経ても、なぜ高い芸術性とアンサンブルの精神を保ち続けることができたか、自ずと理解していただけることだろう。 ハーゲン弦楽四重奏団として、またそれぞれ一人の音楽家として、ザルツブルグのモーツァルティアム、ハノーバー音楽大学、バーゼル音楽大学、シンシナティー大学で学んだことは、技術を身につけ、音楽性を養ううえでとても大切な経験だったと彼らは考えている。彼らがテクニック、そして室内楽奏者としての力量を磨いているときに出会った、ハット・ベイヤール(Hatto Beyerle)、ハインリヒ・シフ、そしてヴァルター・レヴィンといった師であり、同じ音楽家仲間である人々は、多くの指導と励ましを通して彼らに深い影響を与えた。さらにニコラウス・アーノンクールとの出会いは、彼らの音楽的な視野を大きく広げ、ギドン・クレメールとの友情、そして音楽家としてのつながりは彼らにとって大きな財産となっている。クレメールとは、彼のロッケンハウス室内楽音楽祭において数多くの室内楽プロジェクト(ときには夢のような企画!)で共演を果たしてきた。 ハーゲン弦楽四重奏団は、ロッケンハウスにおいて1981年に“審査員賞”と“聴衆賞”と呼ばれる大賞を受賞している。翌年にはポーツマス弦楽四重奏コンクールで優勝し、続けてウィグモア・ホールにおけるロンドン・デビューを果たしている。ハーゲン弦楽四重奏団の国際的なキャリアはここに始まった、と言ってもいいだろう。その後も彼らの平和な世界征服は、コンサートを行ったそれぞれの都市から、それぞれの国全体へと広がり、さらに大陸全体へと進んでいくこととなったが、そのきっかけはなんと言っても、83年にフランスのエヴィアン国際コンクール、ボルドー音楽祭、そしてカナダのボンフ・コンクールで立て続けに優勝したことであろう。 ハーゲン弦楽四重奏団は、その結成時から母国オーストリア(そしてザルツブルグ!)において預言者の宿命を負った芸術家集団、と受け止められてきた。彼らはこのような稀有な存在であるが、それ以上に大きな意味を持つのは、彼らがそれに恥じることのないような活動を今日まで展開してきたことである。ザルツブルク音楽祭、モーツァルト週間、そしてザルツブルクでの一般のコンサート・シリーズを通して、彼らが弦楽四重奏団としていかに成長したかを目の当たりにすることができる。数多くのツアーをこなしながら、四重奏団は師との密な連絡を保つことも心がけている。さらにフレージングや音の色彩感に関して“なぜ”と“どうしたらいいのか”とを、常に自問自答をしながら作品に取り組み、ステージにおいてはしっかりとゆるぎない信念に基づいた演奏を行っている。そして最後に忘れてはならないのが、彼らの行ってきた数々のレコーディングの存在だ。ロッケンハウス室内楽音楽祭をドキュメントしたもの、デッカにおけるアンドラーシュ・シフとのシューベルトの《ます五重奏》、そしてドイツ・グラモフォンにおける数多くの作品(彼らはドイツ・グラモフォント専属契約をしている。)。自らに対するしっかりとした自信、作品に対する無欲かつ献身的な姿勢、バッハからリゲティ、ルトスロワスキーに至るまでの幅広い様式に順応するだけの柔軟性、これらが全て、彼らの中で共存し、彼らの音楽を形作っていることがこれらの録音を聞くことでさらに明確に見えてくることだろう。そんな彼らにとって、チェリストのハインリヒ・シフ、ピアニストのポール・グルダ、オレグ・マイセンベルク、ヴィオラ奏者のジェラール・コセは良きパートナーであり、彼らとの共演はお互いを触発するだけでなく、とても気心の知れたものとなっている。 ルーカス・ハーゲンのヴァイオリンは、アントニウス・ストラディヴァリウス(クレモナ)1724年製。ヴェロニカ・ハーゲンのヴィオラは、ジョバンニ・パオロ・マッジーニ(ブレシャ)であり、いずれもオーストリア・ナショナル・バンク(オーストリア国立銀行)の厚意のもと貸与されている。