1994年韓国ソウル生まれの新鋭。2009年浜松国際ピアノコンクールで、審査委員長の中村紘子に「久々に聴いた桁はずれの巨大な才能」と言わしめてセンセーショナルな優勝を飾り、今年開催されたチャイコフスキー国際コンクールでも、史上稀に見る激戦の中、3位入賞を果たした今まさに旬のピアニスト。いまだ10代ながら、圧倒的なテクニック、やわらかいタッチからつむぐ美音、生まれ持った豊かな抒情性は絶賛もの! 11月の公演に向けて、ソウルのチョ・ソンジンにメールでインタビューをお願いしました。
年齢を感じさせない素晴らしい音楽には驚きと感動を覚えます。小さいころのピアノを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
特にきっかけがあったわけではありません。自然と生活の一部になっていました。家に小さなピアノがあったので、おもちゃで遊ぶように毎日ピアノを弾いていました。
プロのピアニストになろうと決めたのはいつごろですか。
子どものころは、たくさんの習い事をしていました。スポーツとか絵画もやりましたが、音楽が一番好きでした。それで、9才のときにピアニストになろうと思いました。
今回のプログラムは、ショパンのバラード第3番、第4番と、生誕200年の記念イヤーのリストの大作、ピアノ・ソナタ ロ短調です。
ショパンのバラードには、それぞれストーリーがあります。3番には美しくてうっとりするようなストーリー、また4番にはつらく悲しいストーリーといったふうに。音楽を通じて聴衆の皆さんに素晴らしいストーリーをお伝えして、僕の感じるものを共有していただければと思っています。リストは9才で初めて聴いてからずっとお気に入りの作曲家です。彼のピアノ・ソナタは最も好きな作品のひとつです。このソナタはとても劇的かつロマンティックで、そこに僕は強く惹かれています。
好きなピアニスト、作曲家はいますか?
なんといってもラドゥ・ルプーです。彼の音楽にはいつも魅了されます。いつかお会いしたいです。
ピアノがうまくなる秘訣はズバリ何でしょうか。
秘訣と言われても答えられません。ピアノの上達に特別な方法があるのかわかりません。でも、ひとつだけいえるとすれば「音楽を愛する」ということですね。
日本には何度かいらしていますが、どんな印象をお持ちでしょうか。
日本はとても居心地がよくリラックスできる国です。日本の食べ物は、蕎麦、寿司、ラーメン、お好み焼きなど大好きです。それに、聴衆も素晴らしいです。演奏していると、皆さんが本当に音楽を愛していることがこちらに伝わってきます。
これからの夢を教えてください。
夢はコンサートピアニストとしてずっとやっていくことです。ホロヴィッツやルービンシュタインのように、80 才になってもピアノを弾き続けたいです。そして、僕のピアノで少しでも人々が幸せな気持ちになってくれたらうれしいです。
進境著しく飛躍を続けるチョ・ソンジン。ショパンとリストという、ロマン派2大作曲家でピアニストにとっては欠かせないレパートリーで挑む今回のリサイタル、東京公演が4,000円のところ、フィリアホール公演は1,500円とかなりお得!この機会にどうぞお聴き逃しなく。 |