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Interview@philiahall


ギターで奏でる、心からの歌
ギター=朴葵姫(パク・キュヒ)

2012年10月4日(木) 11:30

 

この6月、権威あるアルハンブラ国際ギターコンクール優勝の快挙を成し遂げた新鋭、朴葵姫(パク・キュヒ)さん。歌心にあふれ、多彩なニュアンス、豊かな詩情でつまびくギターは見事の一言!新しきスターの到来を予感させます。凱旋公演ともなる10月公演を前に、メールにてお話を伺いました。

韓国ご出身ながら、3才のときに横浜でギターを始められたとのこと。プロのギタリストになろうと決めたのはいつごろですか。

1才から4才まで日本に住んでいまして、趣味でギターを習っていた母親の影響で自然とギターを始めることになりました。韓国に戻ったあともギターを手放すことなく続けてきました。ギターを弾くことが日常そのものだったので、小さいころからすでにプロのギタリストになろうと思っていました。

東京音楽大学にも通われ、日本語もご堪能。そして今はウィーン国立音楽大学で学ばれています。ウィーンでの生活はいかがですか。

ウィーンではやはり日本や韓国の生活に比べて一人の時間が多いので、練習したり、趣味を楽しんだり、自分のことに集中できる環境です。

今回のランチタイムの公演は、8月にリリースされる3枚目のアルバムにも収録しているスペインプログラムです。

実際にスペインで旅をしながら感じたすべての感情を表現したいと思いました。スペインの暑い日差し、海辺の夕日、柔らかい砂、活気あふれる人々など、自分で直接触れて体感した小さな感情の一つ一つを記憶に残して音楽で表現したいです。聴衆の皆様とこうした感情を共感できたらと願っています。

ギターは抱きかかえながら手で直接弦に触れて音を出す、一番人間らしいあたたかい楽器と思います。朴さんの考えるギターの魅力はどういったものでしょうか。

まさに!あたたかい楽器で、両手の指先から音を出す、非常に繊細な楽器だと思います。音は大きくないですが、逆にその音量も一つの魅力だと思います。語りかける声のような、何時間聴いても疲れない音ですね。

小さい頃からの憧れのギタリストはいましたか。

たくさんいますが、中でも小さい頃に一番憧れていたギタリストは、デイヴィッド・ラッセルさん(注:スコットランドの世界的ギタリスト)です。

ギターをうまく弾くためのワンポイントアドバイスをいただけますか。

まずは運指を工夫することが大事です。楽譜に書いてある通りに弾くよりは、自分にあった運指、そして音楽的に自然に流れるようにできるだけ工夫することが大事です。そしてゆっくり正確に練習すること。練習のときに速いスピードでミスをしてしまうと脳はそのミスを記憶してしまうからです。忍耐力が必要ですね。

将来の夢や目標を教えてください。

夢はたくさんありますが、やはり一番の夢は、「また聴きたい」と思ってもらえるような演奏家、そして音楽家になることです。音楽は人にとって大事な存在であるので、音楽のように私も、聴衆の皆様にとって大事な存在になりたいです。

音楽のことは少し離れて、最近のマイブームがあれば教えてください。

だいぶ前からのマイブームですが、写真を撮ることと、アンティークなものを見たり集めたりすることですね。

好きな食べ物は?

もんじゃ焼き、するめ、ムール貝、鍋・・・、たくさんありすぎて困ります。

苦手なことは?

コンサート中のMC。まだまだ慣れないですね。緊張すると頭が真っ白になるので、うまく言葉を選ぶことが難しくなります。

最近の印象に残った出来事は何ですか?

アルハンブラコンクールに出場した際に、スペインの曲を本場スペイン人の前で弾いて、とても喜んでもらえたことがすごく嬉しくて、記憶に強く刻まれています。

最後にお客様にメッセージをいただけますか。

今回のコンサートはランチタイムということで、気軽に楽しめる曲はもちろん、本格的なギター曲など、幅広くギターの魅力を楽しめるプログラムです。1時間という短い時間ですが、皆様の心にずっと残るようなひとときになれればと思っています。ぜひ聴きにいらしてください。