宮下奈都×金子三勇士×外山洋司
「『羊と鋼の森』を歩く」
文学、ピアノ、調律。「羊と鋼」の知られざる世界
調律師と彼を取り巻く世界を温かい筆致で描いた、2016年本屋大賞受賞作「羊と鋼の森」。今回の「出逢い」は、その作者である作家・宮下奈都と、国内外多くのステージで調律を手掛ける調律師・外山洋司、そして日本とハンガリーの血を引く大人気ピアニスト・金子三勇士の三人による、トークセッションとピアノ・リサイタル。知られざる「調律」の世界と音楽のかかわりについて知る、素敵な土曜お昼のひとときを!
出演◎
宮下奈都(作家)NATSU MIYASHITA
金子三勇士(ピアノ)MIYUJI KANEKO
外山洋司(調律師)HIROSHI TOYAMA
浦久俊彦(ナビゲーター)TOSHIHIKO URAHISA
宮下奈都さんからのメッセージ
「森のような」どうしてこんなにピアノの音が好きなんだろうと思っていました。曲によって、弾く人によっても、音色がすっかり変わるのも不思議でした。あるとき、ピアノの中に羊がいることを知り、そうか、ピアノは森だったのか、と思いました。人によって森の歩き方はさまざまです。木が好きな人も、草を愛でる人もいます。陽が差し、鳥が鳴き、風がそよぎ、泉が湧く、深い森を分け入っていくようなピアノの音が好きです。
宮下奈都
【お詫びとご案内】
一部チラシにおいて、出演者名の英語記載に誤りがございました。
謹んでお詫び申し上げます。
プログラム
ショパン:
F.Chopin:
ノクターン嬰ハ短調「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」
Nocturne in C sharp minor “Lento con gran espressione”
ワルツ第6番変二長調op.64-1「小犬のワルツ」
Valse No.6 in A flat Major op.64-1
即興曲第4番嬰ハ短調op.66(幻想即興曲)
Fantasie-Impromptu in C sharp minor op.66
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調op.27-2「月光」
L.v.Beethoven: Piano Sonata No.14 in C sharp minor op.27-2 “Quasi una Fantasia(Moonlight)”
リスト:巡礼の年第1番「スイス」より「泉のほとりで」S160/R10
F.Liszt: “Au bord d'une source” from Annees de pelerinage Premiere annee Suisse S160/R10
バルトーク:3つのチーク県の民謡Sz.35/BB 45b
B.Bartok: 3 Csik megyei nepdal Sz.35/BB 45b
リスト:パガニーニによる大練習曲第3番嬰ト短調「ラ・カンパネラ」
F.Liszt: Grandes Etudes de Paganini S141/R3b: No. 3 in G Sharp minor "La campanella"
他
チケット情報
【料金】全席指定¥4,500
【ホールメンバーズ先行予約締切】2016年12月11日(日)(WEBは前日18:00まで)
【一般発売】2017年1月15日(日)11:00~ (電話・インターネット・モバイル)
※発売日は電話・Webのみ受付し、窓口販売はございません。
【チケット取扱】フィリアホールチケットセンター ☎045-982-9999(11:00~18:00)
プロフィール
宮下奈都(作家) - Natsu Miyashita - Novelist
1967年1月2日生まれ、福井県福井市出身。89年上智大学文学部哲学科卒業。2004年、3人目の子供を妊娠中の36歳の時に初めて書いた小説「静かな雨」で第98回文學界新人賞佳作に入選、デビュー。著書に『スコーレNo.4』(2007年光文社)、『遠くの声に耳を澄ませて』(09年新潮社)、『よろこびの歌』(09年実業之日本社=第26回坪田譲治文学賞候補)、『太陽のパスタ、豆のスープ』(10年集英社)、『田舎の紳士服店のモデルの妻』(10年文藝春秋)、『メロディ・フェア』(11年ポプラ社)、『誰かが足りない』(11年双葉社=第9回本屋大賞7位)、『窓の向こうのガーシュウィン』(12年集英社=第28回坪田譲治文学賞候補)、『はじめからその話をすればよかった』(エッセイ集/13年実業之日本社)、『ふたつのしるし』(14年幻冬舎)、『たった、それだけ』(14年双葉社)、『神さまたちの遊ぶ庭』(エッセイ集/15年光文社)などがある。『羊と鋼の森』(15年文藝春秋)は、TBS系「王様のブランチ」ブックアワード2015大賞受賞、「2016年本屋大賞」第1位、「キノベス!2016」第1位で、史上初の三冠を受賞した。
『羊と鋼の森』
文藝春秋
著者:宮下奈都
定価:本体1,500円(税別)
ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
ピアノの調律に魅せられた一人の青年が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。
金子 三勇士(ピアニスト) - Miyuji Kaneko - Pianist
1989年、日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれる。 6歳で単身ハンガリーに渡りバルトーク音楽小学校にてチェ・ナジュ・タマーシュネー に師事。2001年、11歳でハンガリー国立リスト音楽院大学(特別才能育成コース)に入学、エックハルト・ガーボル、ケヴェハージ・ジュンジ、ワグナー・リタ に師事。2006年に全課程取得とともに帰国。東京音楽大学付属高等学校に編入し、清水和音、迫昭嘉、三浦捷子に師事。2008年、バルトーク国際ピアノコンクール優勝の他、数々の国際コンクールで優勝。これまでに、ゾルタン・コチシュ指揮/ ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、準・メルクル指揮/読売日本交響楽団、ジョナサン・ノット指揮/東京交響楽団小林研一郎指揮/読売日本交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、大阪センチュリー交響楽団(現日本センチュリー交響楽団)他と共演。海外ではハンガリー、アメリカ、フランス、ドイツ、オーストリア、スイス、ギリシャ、ルーマニア、チェコ、ポーランド、中国などで演奏活動を行なう。東京音楽大学を首席で卒業、同大学院修了。日本デビュー5周年となる今年2016年3月にユニバーサルミュージックより新譜のCD「ラ・カンパネラ~革命のピアニズム」をリリース、9月にはソロ・リサイタル「金子三勇士5大ソナタに挑む!」を開催する。キシュマロシュ名誉市民。スタインウェイ・アーティスト。
外山洋司(調律師) - Hiroshi Toyama - Piano Tuner
1963年愛媛県宇和島市生まれ。高校卒業後ヤマハの調律学校に学ぶ。地元で一般家庭での調律に従事したのち、スタインウェイピアノの音に惹かれ、1988年東京の松尾楽器商会に入社。独ハンブルクのスタインウェイの工場で「整音」を重点的に学んだ後、全国のコンサートホールのスタインウェイの修理、保守管理、内外ピアニストのコンサート調律を担う。2015年einklangの屋号で独立。