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Interview@philiahall


音楽の喜びをかみしめ、ひたむきに向き合いたい
チェロ:横坂 源

2011年8月26日(金)11:30

横坂 源

 

平日のお昼の1時間、ぶらりとホールに立ち寄って本物の音楽に出逢える、大人気シリーズ《らん・らん・ランチにいい音楽》。8月26日は、日本の実力ある若手チェリストの筆頭、横坂源さんがフィリアホール初登場を飾ります!いまはドイツで研鑽を積み、昨年には難関として知られるミュンヘン国際コンクールで第2位を受賞、まさにこれから世界に飛び立たんとする横坂さんに、メールでインタビューをお願いしました。

13才でプロのオーケストラと協演されるなど、小さい頃から将来有望なチェリストとして広く注目されてきました。そもそもチェロをはじめたきっかけは何だったのでしょうか。

父が音楽学を教えていて、生徒だった学生さんが4才だった自分と大好きだったウルトラマンで何時間も遊んでくださって、その時に彼のチェロを触らせてもらったことが始めたきっかけでした。楽器の良さというよりもお兄さんへの憧れからチェロを演奏してみたいという気持ちだったと思います。

音楽家になろうと決めたのはいつ頃のことなのでしょうか。

高校に入学したときですね。それまでは地元の小・中学校に通っていたので、チェロを楽しみながらも、地元の友達と高校に進学したいという気持ちを持っていたのですが、恩師の毛利伯郎先生のお言葉もあって桐朋へ入学を決めた時、学校中の人が各々の楽器を持ち、当たり前のように音楽の話をしている光景にびっくりしたことを覚えています。新鮮さと同時にもう後戻りできないのではという怖さも感じました。

現在はシュトゥットガルト国立音楽大学で勉強されています。

ドイツへは2006年から留学していてジャン=ギアン・ケラス先生に習っています。彼はバッハから現代曲まで幅広いジャンルを得意としているので、今世界で活躍しているチェリストから実際に間近で演奏しながら教えていただけるレッスンは、自分にとって良い経験になっています。シュトゥットガルトの街は自然が多くとても穏やかで、オペラハウスや美術館がすぐそばにあり、身近に芸術を感じることができます。休日は友達とスポーツや食事に行ったりしています。

今回フィリアホールで弾いていただくプログラムについて教えてください。

ドビュッシーのチェロ・ソナタは、ドイツでの初めてのコンサートで演奏した曲なので、個人的に想い入れの強い曲です。ラフマニノフのチェロ・ソナタとファリャの火祭りの踊りは、今年ピアノの今西さんと共演していて相性がとても良かったので、ぜひ聴いていただきたいと思ってプログラムに入れました。その後お互い勉強していく中で、どのような変化を遂げて演奏することができるのか楽しみにしています。

日本の若手チェリストは、世界トップレベルの人材の宝庫のように思います。昨年のミュンヘン国際コンクールで入賞され、これからさらに活躍の場が広がっていくことと思いますが、いまの率直なご心境をお聞かせください。

基本的な心境は以前と変わっていません。ただ、留学を通して多くの音楽家たちと出会い、彼らと共演することで音楽を共有する喜びを改めて感じています。オーケストラ、室内楽の楽曲をもっと積極的に読み、いろいろな角度から自分の音楽観を深めていけたらと思っています。