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Interview@philiahall


時は止まって・・・限りない静けさと沈黙へ
ギター:イョラン・セルシェル
2011年11月22日(火) 19:00

イョラン・セルシェル

 

ギターの世界的名匠、イョラン・セルシェルが4年ぶりにまたフィリアホールに登場します。
前回2007年"オール・バッハ・プログラム"では静謐でぬくもりのある音で聴き手を深く魅了したセルシェルが、今回はルネッサンスから、バッハ、ビートルズまで時を超えた自在なプログラムを披露します。

スウェーデンでは、スローライフを実践されているそうですね。

自然の風景や季節の変化を感じながら、ゆったりとした心豊かな日常を送っています。1年の半分以上は自宅で過ごします。この夏もコンサートとゴルフ、そして家族との時間をバランスよく保って満喫しました。

なぜ11弦ギターを使うようになったのですか。

主にルネッサンスからバロック時代の演奏をする時に使っています。私はこれらの時代の音楽が大好きなのですが、低音弦が加わった11弦ギターを使うと、とても効果的に演奏しやすくなります。

日本に対する印象は?

祖国スウェーデンと並んで、世界で最も好きな国と言えます。愛する日本で演奏できることをとても楽しみにしています。

これからの夢や目標を教えてください。

とてもシンプルな目標ですが、ずっと健康的でいたいと願っています。そして、この先少しでも長く演奏活動を続けることができればと思っています。

ギターがうまくなる秘訣は何でしょうか。

特別な方法はありません。ひたすら練習することです。でも、良い師を見つけることも大切です。少なくとも最初の一年はきちんとした指導を受けながら練習するべきです。

フィリアホールでは2007年にも味わい深い演奏をお聴かせいただきました。

フィリアホールは大変すばらしいホールで、ギターの演奏にぴったりです。他の国に比べて、日本の多くのホールは格段に質が高いと思います。

お客様へメッセージをお願いします。

今回のテーマは「時は止まって…限りない静けさと沈黙へ」です。私にこのテーマを導いてくれたジョン・ダウランドの美しいリュート歌曲「Time Stands Still」をはじめ、至高のバッハ、リュートの巨匠ヴァイス、時代は下っても音楽芸術性の高いポール・マッカートニー、そして静けさと抒情に満ちたアルヴォ・ペルトの曲を演奏します。音楽は決して堅苦しく構えて聴くものではありません。ぜひ心を開いて、自由に音楽を楽しんでください。

物静かで思慮深いセルシェルの性格そのままに、ごくシンプルにメールで返事をいただきましたが、その少ない言葉のひとつひとつからは音楽への限りない愛情を感じることができました。絆を求める人が増える昨今、人肌の温度を持って心の深奥に静かに響きわたるセルシェルの音楽こそが必要とされているのかもしれません。