Fhilia Hall
アーティスト インタビュー

川久保賜紀
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会1(全3回)

2014年4月26日 17:00コンサートの詳細

 

ベートーヴェンの旅、始動!!

華やかな容姿とスケールの大きな音楽、柔らかな人柄で、ファンのみならず、音楽仲間からも信頼の厚いヴァイオリニスト・川久保賜紀。2010年遠藤真理、三浦友理枝とのトリオ、2013年村治佳織とのデュオに続き、今回は久しぶりのソロ・リサイタルで登場します。それも、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲に3年がかりで取り組む一大プロジェクト!大きな挑戦を前に、メールでお話を伺いました。

 

 

フィリアホールデビューの2001年にベートーヴェンの7番のソナタを弾いていらっしゃいます。今回改めてベートーヴェンに取り組みたいとお話があったとき、数曲だけ取り上げるよりも、せっかくだったら全曲を、と大きな期待を込めてお願いさせていただきました。チクルスに向けてのお気持ちをお聞かせください。

 

4年前に海外で4つのベートーヴェンのソナタをまとめて演奏したときに、確かな手ごたえを感じて、「これは、いつか絶対全曲やりたい!」と思ったのです。今回、素敵なフィリアホールでそれを実現できて、とても嬉しく、わくわくしています。初めて全曲演奏に取り組むこととなりますが、全曲を通してこそ味わえるもの、得るものがあるように思います。ベートーヴェンの人生全てが込められたこの10曲のソナタにじっくりと向き合い、彼の抱いた情熱、挑戦、偉大さに触れて、私にとって心を熟成させる貴重な時間となりますね。お客様にもそれを共有していただけたら嬉しく思います。

 

今度の4月のプログラムは、春にぴったり、人気の「スプリング・ソナタ」を含む、1番、4番、5番、3番のソナタです。

 

ベートーヴェンは後期の作品に名曲が多いですが、今回弾くのは初期の作品4曲です。いかにも“アーリー(early)ベートーヴェン!”という感じで、モーツァルトの影響を受けているところなど、チャーミングな曲調が大好きです。

 

5才のときに、ピアノに続いて、ヴァイオリンを習い始めたそうですが、プロになろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

 

プロになろうと思ったことは実はないのです。子どもの頃から、人前で弾くことが勉強のひとつでしたから、様々な舞台を経験させてもらいました。憧れの演奏家がいたり、チャイコフスキーコンクールでの入賞があったりもしますが、どちらかというと、先生や周りのサポートによって導かれて、背中を押してもらって今があるような感じです。ですから、出会いに恵まれたと思いますし、そうした私を支えて応援してくれた方々に心から感謝しています。

 

川久保さんのヴァイオリンはゆったりとおおらかで、かつ情熱的です。音楽には性格が出るといいますが、どう思われますか?

 

難しい質問ですね。自分の性格は自分なりにわかっているとは思いますが・・、音楽はそれとは違って、もっと自由に柔軟に変わっていくもののように思います。曲によってもそれぞれアプローチが随分違いますし。私は音楽に対しては、演奏するというよりは、音楽を話すという感覚があります。確かに情熱的なものには心を惹かれますね。民族的なものも大好きです。好きな演奏家はムター、オイストラフ、ハイフェッツと、皆さん熱いものを持っています!

 

ヴァイオリニストを目指す若者へ、何かひとつアドバイスするとしたら?

 

とにかく何でもやって、いろいろな経験をすること。室内楽やオーケストラでしか経験できないこともありますし、練習はもちろん大事ですが、人と合わせて音楽を創ることや誰かに演奏を聴いてもらうことは、ひとりで練習しているだけでは得られないものがあります。また、音楽に限らず、できるだけ広く興味を持つこと。音楽もクラシックだけではなく、ポップスやジャズ、あらゆる音楽を聴くことですね。私は今になってみれば、もっともっといろいろなことができれば良かったなと思うときがありますから。もちろん、それも年齢を重ねて思うことかもしれませんが。

 

アメリカで生まれ育ち、現在はベルリンにお住まいです。今までに訪れた国や場所で、一番印象深かったところは?

 

今の時代は、自由に世界中を旅することができます。私はベルリンに住み、両親は今でもアメリカですから、世界一周することも少しも珍しいことではありません。そういう時代にいて、私はグアテマラに演奏会に行ったときのことが忘れられないでいます。貧富の差が激しい地域で、バスは今にもこぼれそうなくらいぎゅうぎゅうで、体が半分はみ出している。そんなバスに長時間乗って、皆仕事に通っているのです。人々は、今、そこに必死に生きている・・、今、そこにしかいられない・・、でも、そのことが、私にはとてもかけがえのないことのように思われ、それがすごく美しいと感じて、胸が熱くなりました。そのときのことが今でも深く印象に残っています。

 

お休みの日は、どのように過ごされていますか?

 

寝ています(笑)。人と会ってお茶をしたり、食事をしたり。コンサートに行くこともありますし、テレビも見ます。

 

お好きな食べ物は?

 

日本食が好きです。日本の食事は本当に美味しいですね。お味噌汁はベルリンでも作って食べます。

 

マイブームがありましたら教えてください。

 

漢方のお茶にはまっています。それから、最近は温シップが気に入っていて、肩や背中を温めると気持ちがいいですね。

 

最後に、これからの目標をお聞かせください。

 

良い1年だったと思えるように、毎日を大切に過ごしたいと思っています。フィリアホールでのベートーヴェンの旅が皆さんと一緒に無事に終えられますように!

 

 

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