Fhilia Hall
アーティスト インタビュー

三浦友理枝 ピアノ

2015年7月 4日 17:00コンサートの詳細

 

どこまでも透明な響きの世界に挑む。

7月と9月、2夜にわたる第251回《女神(ミューズ)との出逢い》では、特別企画として、あらゆる編成に多数の傑作を残した、フランス近代を代表する作曲家モーリス・ラヴェルのピアノ曲全曲演奏プロジェクトが実現します。挑むのは、近年ますますの躍進を見せるピアニスト・三浦友理枝。美しくも手強い傑作群に真っ向対峙できる、確かな実力の持ち主です。近づく第1夜公演を前に、三浦さんにメールでお話を伺いました。

 

 

2007年、10年(川久保賜紀さん・遠藤真理さんとのトリオ)、12年と、フィリアホールにはソロ・室内楽あわせて何度もご登場いただいています。ホールやピアノの響きはいかがですか?

 

毎回チャレンジングで風変わり?なプログラムでフィリアホールにて演奏させて頂いておりますが、いつもホールや楽器の素晴らしい響きに助けてもらっていると実感しています。またお客様も、大半は耳馴染みのあまり無い曲であろうにも関わらず、とても積極的に聴いて下さっているのが舞台上にも伝わって来まして、とても有難いです。

 

今回はこちらからも無理を申し上げましたが、2夜に渡ってモーリス・ラヴェル作品の全曲演奏という壮大なプログラムに挑戦です。このプロジェクトにかける意気込みを簡単に教えてください。

 

一人の作曲家の作品をまとめて全部演奏するというのは人生初の大チャレンジです。ラヴェルは比較的作品数が少ないので2回でコンプリートしますが、その分隙の無い、密度の濃い曲ばかりなので大変な集中力が必要です。
彼の作品は、印象派に属するファンタジー溢れる作品群と、形式美を追究した新古典主義の作品群とにざっくりと大別出来るかと思います。一見真逆に見えるこの二つのキャラクターも、ラヴェルのどこまでも透明な響きのフィルターを通して俯瞰すると、ひとつの大きな世界観が見えてくるのではと考えており、それをご提示することを今回の貴重な機会の目標の一つに掲げたいと思います。

 

フィリアホールでは前回2012年のリサイタルで「鏡」を演奏され、ラヴェルのソロ作品は一度すべて演奏されたとのこと。その後に、このような形で再びラヴェルの曲すべてに向き合うことで、改めてその音楽に対して思うこと、またこれまで感じていたところとの違いを感じることはありますか?

 

どの曲にも言えることですが、一回ステージに上げて、しばらく間を置いて再び取り上げると、より大きな流れを感じながら弾くことが出来ます。しっくり来なかった箇所の解釈がすんなり見えて来たり…。過去のフィリアホールでのリサイタルに於いて、多くのラヴェル作品の(私にとっての)「1回目」を経験させて頂きましたが、今回はより進歩した演奏が出来るよう頑張ります。

 

あえて、ラヴェル作品で1つ特に好きな曲を挙げるとしたら何でしょうか?

 

大変難しい質問です…どの曲も好きなので、真剣に一つに絞るとなると年を越してしまいそうです(笑) でも凄い曲だといつも圧倒されるのは、「夜のガスパール」です。ベルトランの詩の、怪奇的な非現実世界をあれほどまでに見事に音で表現できるのは天才としか言いようがありません。

 

ラヴェル以外にも、これまで三浦さんは近現代フランス人作曲家の作品を積極的に取り上げられています。三浦さんが感じる、この時代のフランス作品の魅力を教えてください。

 

多様な色彩にあふれた和声、でしょうか。子供の頃ずっと作曲をやっていて、何か面白い響きはないかと色々鍵盤上で模索する中で、この時代のフランス音楽の和声感はとても好きでよく参考にしていました。それが原点かもしれません。

 

三浦さんがこれまでに大きく影響を受けたアーティスト・音楽家がいましたら教えてください。

 

恩師のヴェラ・ゴルノスタエヴァ先生。あと特にフランスものに関してはパスカル・ロジェとピエール・ロラン=エマールです。

 

最近なにか特にはまっていること、自分の中でのブームなどはありますか?

 

香水などの香り物が元々好きで集めているのですが、最近良い香りの柔軟剤が増えたので、お気に入りを五種類くらい揃えて、その日の気分で選ぶのがささやかな楽しみです。

 

ずばり、三浦さんにとって「音楽」とは何でしょうか?

 

一生関わっていたい、本当にかけがえのない素晴らしいもの。

 

これからやりたいと考えていること、プロジェクトなどがあればぜひ教えてください。

 

夏頃から木管五重奏とのプロジェクトが始まります。私にとってはまだまだ未知の領域ですが、管楽器はそれぞれ音色が個性的なのでインスピレーションを沢山もらえると思います!
ソロでは今年度はデビュー10周年ということで、今まで活動の柱にしてきたフランスもの、ショパン、近現代曲をそれぞれフィーチャーした挑戦的なプログラムでのリサイタルを各地で予定しています。次の10年に向けては、シューマンやブラームスなどのドイツものや、ロシアものなどにも取り組んでみたいと思っています。

 

 

▲▲▲
PAGE TOP