Fhilia Hall
アーティスト インタビュー

南紫音(ヴァイオリン)

2017年8月26日 17:00コンサートの詳細

 

ヴァイオリンは私の言葉そのもの。

2005年、16歳にしてロン=ティボー国際コンクールで第2位を受賞し、圧倒的な注目を集めたヴァイオリニスト・南紫音。その後国内外のオーケストラとの共演、リサイタルと着実な活動を積み重ねてきた彼女は、15年に難関で知られるハノーファー国際ヴァイオリン・コンクールで第2位を受賞。デビュー直後から定期的に登場したフィリアホールでの《女神との出逢い》出演も4回目、今回はドイツ・オーストリアの大作曲家の作品を取り上げる重厚なプログラムです。期待の公演を前に、南さんにメールでお話を伺いました。

 

 

フィリアホールの出演は4回目になりますが、前回(2011年8月)にご出演いただいた際のイザイの無伴奏ソナタ全曲演奏は大変な絶賛を博しました。フィリアホールの響きはいかがでしたか?

 

イザイはとても思い入れのある作曲家ですので、いつか是非全曲演奏会を、と思いながらも、やはり私にとりましてとても大きな挑戦でした。フィリアホールは何度か演奏させていただいたことがありましたので、演奏会の前から、素晴らしい響きのホールだという安心感がありました。曲、楽器、ホールの響き、お客さまの作ってくださる空気感、その全てが一回一回の演奏会を作っていて、だからこそ全く同じ演奏会は2度とできないのだと思っています。無伴奏ソナタ全曲リサイタルの時は私自身あまり味わったことのない独特の緊張感がありましたが、そのすべての要素が私を温かく後押ししてくれたように感じます。今でも忘れることのできない演奏会のひとつです。

 

今回ピアノで共演される田村響さんは、同じロン=ティボー国際コンクールの入賞者でもあります。以前から交流がおありだったのでしょうか?

 

私にとりまして思い出深いロン=ティボーで田村君が優勝され、いつか演奏をお聴きしてみたいなと思っておりました。それが実現したのは実は2013年のフィリアホール・ニューイヤー特別ガラコンサートの時でした。当日はご挨拶することができず、私はゲネプロを客席から聴かせていただいただけでしたが、繊細ながらも説得力のあるモーツァルトが素晴らしかった事を覚えています。昨年ある演奏会で1、2曲ほどご一緒させていただく機会があり、その時に今度はリサイタルを是非、とお話しました。その最初のリサイタルをご縁のあるフィリアホールでさせていただくこととなりとても嬉しく思っております。

 

今回のプログラムはベートーヴェン、シューマン、ブラームスのソナタを据えた重厚なプログラムです。その聴きどころを簡単に教えてください。

 

よくドイツ作品、とひとくくりにされがちなこの3人の作曲家ですが、楽譜と向き合ってみるとそれぞれまた性格が違います。ドイツの重厚さにどっぷり浸っていただきつつ、それぞれの作曲家の個性に耳を傾けて頂けますととても嬉しいです。

 

今回はドイツ・オーストリアの作曲家を取り上げられますが、一方で以前からフランスの作曲家の作品なども多く取り上げられてきました。今後取り上げていきたい作曲家(あるいは時代・地域など)などがあればぜひ教えてください。

 

まずはベートーヴェンのソナタ全曲を通して今後もっと深めながら取り組めたらいいなと思っています。それから今一番興味があるのはシマノフスキなどのポーランドの作曲家の作品です。最近ポーランドのオーケストラと共演させていただく機会が何度かあり、また師事している先生のご出身がポーランドでしたり、何かとご縁があり話をしているうちにまだまだ知らない曲がたくさんあることを知り、取り組んでみたいなと思いました。ポーランドの作品は繊細さがありながら、独特なユーモア、親しみやすさ、美しさがあり魅力的な曲が多いと思います。あとは室内楽がとても好きなのでもっと取り組めたらと思っています。

 

2015年に、難関で知られるハノーファー国際ヴァイオリン・コンクールで第2位を受賞されました。コンクール前後で、意識など変わったことなどはありますか?

 

ハノーファーが最後のコンクールと決めていましたので、コンクールからの開放感はありました。しかしどちらかと言いますとハノーファーよりも、むしろロン=ティボーの前後の方が、それまでよりも演奏の機会を多くいただくようになったという面で変化が大きかったと思います。演奏をするということに対する意識は今も以前も変わっていません。

 

南さんが尊敬する/影響を受けたヴァイオリニストがいましたら教えてください。

 

私は人の演奏を聴くのが好きでたくさんの尊敬するヴァイオリニストがいますが、特にジネット・ヌヴーの演奏は聴くたびに感銘を受けます。彼女の深い情熱や意志の強い演奏にはいつも心惹かれますし、小さな頃から憧れでした。

 

南さんにとって、ヴァイオリンとは何でしょうか?

 

物心つく前からヴァイオリンを弾いてきて、本当に自然に毎日ヴァイオリンと接してきましたので、生活の一部という感じでしたが、今はヴァイオリンというものが私にとりもっとたくさんの意味を持つようになってきました。例えば英語もドイツ語もなかなか通じないような国に行った時でも音楽があれば言葉より深いコミュニケーションが取れますのでヴァイオリンは私の言葉そのものだなと感じますし、ヴァイオリンを弾いてきたからこそ出会えた人もたくさんいます。
ヴァイオリンが今の私の人生を作り、そしてまた私の人生のすべてのことが演奏に影響を与えているのではと思っています。

 

 

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