Fhilia Hall
アーティスト インタビュー

藤原真理
チェロ

2013年9月21日 17:00コンサートの詳細

 

深さと軽さと。音楽の魅力を求めて40年。

1970年代から実に40年間、クラシック音楽界の最前線を駆け抜けてきたチェリストの藤原真理。近年は、NHKの「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」や「宮沢賢治の音楽会~3.11との協奏曲」への出演、大河ドラマ「八重の桜」エンディングテーマの演奏などでも、人柄のにじみ出る温かい音楽が今なお多くの人々を魅了しつづけています。フィリアホールでは、一昨年の3月の公演が震災でやむなく開催中止となったため、来る9/21(土)の公演が5年ぶりのご登場となります。

 

 

今回のリサイタルも多彩なプログラムをお聞かせいただきます。

 

ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第2番はベートーヴェン初期の作品で、ときにモーツァルトかと思わせられるほどですが、随所にロマン派への萌芽がみられます。音楽の流れを主導するピアノにチェロの旋律が重なってきますが、どう工夫して展開させていけるかが演奏者としての腕の見せどころです。次のバッハは、敬虔なものととらえ過ぎると辛気くさい印象が前面に出てしまうので、そうはならないように音楽作りをしたいですね。無伴奏チェロ組曲第3番はハ長調で書かれていて、明晰であるだけに能天気にもなりうる危険性がある調性ですから、目指すのは、使われているリズムに沿って展開していく和音の移り変わりを聴き手の皆さまに楽しんでいただくこと。シューマンのアダージョとアレグロは、長らくお蔵入りにしてあった作品のひとつで、どこまで作曲者の思いに近づけるかをチャレンジしたいです。ファリャの6つのスペイン民謡は、その名の通りスペイン民謡の素材を生かして作られた小曲で、手放しで楽しんでいただければ。最後のカサドの親愛なる言葉は、脈々と受け継がれているスペインの熱い血に親愛の心を添えて、師匠のカザルスに捧げたカサドに尊敬をこめて演奏します。

 

斎藤秀雄、フルニエ、ロストロポーヴィチと、素晴らしき往年の名匠たちに師事されてきました。それぞれの思い出をお聞かせいただけますか。

 

お三方、それぞれが「我が道」を行かれた尊敬すべき先人です。失礼を省みず言わせていただくと、斎藤先生は頑固(長年、教育に心血を注がれるのに頑固でいなくては成り立たなかったと思います)、フルニエは頑固でもフランスの香りたつ品のよさと暖かさ、力強さも兼ね備えていて、多彩な音色も魅力的な演奏家でした。ロストロポーヴィチも人生への信念は揺るぎなく、“頑固”族といえるでしょう。彼のように大陸的な巨大なスケールで音楽ができる人はこの先、生まれてくるのだろうかと思うほどです。

 

ジムに通ったり、スキーに行かれたり、心身のバランスをいつも良い状態に保っていらっしゃいますね。

 

疲れを取るストレッチ、弱い部分を補強する運動、スキーでの気分転換などは、自分のバランスを保つために無くてはならないものになりました。言葉では説明しにくいですが、昔に比べると、全ての物事に対してより現実的に感じて対処するようになったと思います。それが演奏面でも良い方向に活かせるように、何はともあれチャレンジです!

 

藤原さんにとって“チェロ”とは改めて何でしょうか。

 

自分自身と切り離しては考えられないもの。常に何かを示してくれて、それは手助けだったり、しばしば自分の働きかけの足りないところを突きつけつけてくれる鏡のような、生命を持った楽器といえるでしょう。

 

音楽家を目指す若い人たちへ、何かひとつアドバイスをいただけるとしたら?

 

音楽のみならず何かを志すなら、それに向かっての努力は大大前提でしょう。単なる反復練習とか、持続性に欠けがちな性分に生まれついた方もしばしば見られるようですが、それを何で埋め合わせるか?己をよく知る分析力も身につけたいものです。

 

お好きな食べ物は何ですか。

 

新鮮な生肉と野菜、果物です。

 

ご自身が一番開放される瞬間は?

 

響きの良いホールで、かけがえのない共演者と納得のいく演奏ができたとき。音楽から離れると、澄んだ大気のなかで呼吸すること。また、その中で、昼寝をしたり、ぼんやり、つらつらと物事を見たり考えたりする時間。

 

大きな影響を受けた物事はありますか?

 

自分が気がつかずにすれ違ったものも多いと思いますが、ほとんど全てのものが何らかの影響を及ぼしていると思います。マイナスに働くものは程度によりけりでしょうが、それも何がマイナスかプラスか?簡単には判断はつきません。

 

 

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