Saturday 30 July 2016 , 14:00
私にとってトランペットは人生の先生のように感じます。私の良い面、悪い面を見せてくれる鏡のようです。演奏家そして人間としても成長させてくれます。
トランペットを始めたきっかけを教えてください。
私は幼少からピアノを弾いていました。私の父は音楽家で、私にピアノと作曲をして欲しかったようですが、私はピアノが苦手でした。それを察した父が、私が12歳の時にトランペットを好きかどうか聞いてきたので、私は好きだと即答しました。なぜなら父が指揮をするオーケストラのレコーディングをよく聴きに行き、その時に1番トランペットの音が好きだったからです。それからトランペットを吹き始めることになりました。
プロになろうと思ったきっかけは何でしょうか?
私の周りの人たちは音楽家ばかりで、両親も私が音楽家になるものだと思っていたので、他の職業を考えることがありませんでした。
名門チェコ・フィルハーモニー管弦楽団首席奏者として、またソリストとして多くの一流アーティストと共演されています。特に印象に残っているアーティストについて、エピソードなどを教えてください。
特に印象に残っているのは、ロストロポーヴィチ(※)です。彼の指揮でショスタコーヴィチのピアノ協奏曲のトランペットのソロを演奏しました。彼は難しい音楽でも簡潔に仕上げる事ができ、私たちへの説明も卓越していました。
(※)ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ:アゼルバイジャン(旧ソビエト連邦)出身のチェリスト・指揮者。20世紀後半を代表する巨匠として名高い。
近年は日本でも来日公演をされています。日本の聴衆やホールの印象を教えてください。
日本の聴衆は、子供がクリスマスイブを心待ちにしている時と同じように、コンサートを楽しみにしてくださっているように感じます。そして日本のホールはどのアーティストも同じ考えだと思いますが、世界一素晴らしいホールが多い国だと思います。
トランペットという楽器の面白さ、醍醐味を簡単に教えてください。
私にとってトランペットは人生の先生のように感じます。私の良い面、悪い面を見せてくれる鏡のようです。演奏家そして人間としても成長させてくれます。
お休みの日はどのように過ごされていますか?
妻と生後10ヶ月の息子と過ごし、トランペットの練習もしています。
日本でも多くの奏者がトランペットを学んでいます。若いアーティストにメッセージをお願いします。
自分自身を信じ、自分の心の声を聞いてください。あなたの中にあなた自身の正しい先生がいるはずです。
これから取り組みたいプロジェクトなどがあれば教えてください。
プラハにあるニューヨーク大学とケンタッキー大学のアメリカの学生を指導することと、以前からあるチェコフィルハーモニックブラスアンサンブルを復活させ、日本で公演することができるようになりたいです。