フィリアホールにはこれまで多くの「チェロの巨匠」が登場してきました。ミッシャ・マイスキーやミクローシュ・ペレーニなどモダン・チェロの巨匠、クリストフ・コワンのようにピリオド楽器とモダン楽器を使い分けて独自の探求を行う求道者、そしてジョヴァンニ・ソッリマのように楽器を越えた独自の世界を創り上げる鬼才… では今回登場するイタリアの巨匠、マリオ・ブルネロはどのような位置にいるのでしょうか。
名教師ヤニグロに師事し、ジュリーニ、メータ、アバド、小澤、またクレーメルやアルゲリッチ、アファナシエフなど、錚々たる巨匠と多数共演し、世界的チェリストとして実力を存分に示した彼ですが、現在はピリオド楽器の奏法に習熟し、その可能性を探求する一人でもあります。学んだ奏法を生かして、バロック期の小型チェロ(チェロ・ピッコロ)によるバッハのヴァイオリン作品にまで取り組むなど、その挑戦的な演奏活動は、近年ますます注目を集めています。さらにその一方では、ショスタコーヴィチと親交を深めた未だ知られざるポーランド作曲家・ヴァインベルクの作品紹介に集中的に取り組み、また演奏家として親しいソッリマと共演し、現代作品の開拓にも取り組むなど、ブルネロの活動を特徴づけるのはその「圧倒的な多様さ」といえましょう。
今回の無伴奏リサイタルは、今ブルネロが国内外で最も力を入れて展開している、バッハとヴァインベルクを組み合わせたプログラム。ソ連当局に弾圧され、苦難の人生を送りつつも多くの作曲家に影響を与えたヴァインベルクのソナタと、チェロ奏者にとっての「聖典」たる絶対的なバッハの無伴奏チェロ組曲が並んだとき、私たちは、どのような想いをそこに見出すことになるでしょうか?
S¥7,500 A¥7,000
FAX・郵送◎2024年12月10日(火)18:00必着
Web◎2024年12月8日(日)11:00~12月10日(火)18:00
※先行予約は電話申込はございません。
2025年1月12日(日)11:00~
※発売初日は電話・Webでのみ受付
■曲目・出演者・料金・発売日等やむを得ず変更させていただく場合があります。
■未就学児の入場はお断りいたします。
■青葉台東急スクエアの駐車券のサービスはございません。
■車椅子席をご希望の方は、チケット申込の際お知らせください。
■チケット定価に含まれない諸手数料等は、公演の中止・延期等における
チケット料金の払戻しの対象にはなりません。何卒ご了承ください。
フィリアホールチケットセンター
☎045-982-9999(営業時間11:00-18:00 第3水曜日休館)
フィリアホール(横浜市青葉区民文化センター)
チェロ◎マリオ・ブルネロ
Mario Brunello, cello
ミェチスワフ・ヴァインベルク(1919-1996)◎無伴奏チェロ・ソナタ 第1番 Op.72
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)◎無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008
---
ヴァインベルク◎無伴奏チェロ・ソナタ 第2番 Op.121
J.S.バッハ◎無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
Mieczysław Wajnberg: Sonata No.1 for Solo Cello, Op.72
Johann Sebastian Bach: Cello Suite No.2 in d minor, BWV1008
---
Mieczysław Wajnberg: Sonata No.2 for Solo Cello, Op.121
Johann Sebastian Bach: Cello Suite No.1 in G Major, BWV 1007
イタリアのチェロ奏者マリオ・ブルネロは、自由な表現で聴衆を魅了し、ソリストとして、室内楽奏者として、また、イタリアのアルテセラ音楽祭、並びにドロミテ音楽祭の制作・芸術監督を務めるなど、幅広い活動を続けている。
1986年、国際チャイコフスキー・コンクールでイタリア人として初めて優勝し、一躍脚光を浴びた。この優勝を機に、ムーティ、小澤征爾、パッパーノ、ゲルギエフ、シャイー、コープマン、チョン・ミョンフン、といった偉大な指揮者と共演し、ロンドン響、フィラデルフィア管、スカラ座フィルなど世界一流オーケストラから招かれている。室内楽奏者としても、クレーメル、バシュメット、アルゲリッチ、ツィンマーマン、ファウスト、ポリーニなどと充実した演奏会を重ねている。
使用楽器は、1600年代初頭に製作された「マッジーニ」。一方で、近年は17?18世紀の作曲家たちに親しまれていた4本の弦を持つ「ヴィオロンチェロ・ピッコロ」の再発見を推進しており、2019年秋には、このチェロ・ピッコロを使用して、バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」をリリース。その他の録音も数多く、EGEAレーベルやドイツ・グラモフォンから多彩な作品をリリースしている。