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秋元孝介・小川響子・伊東裕 (C)CODiS

葵トリオ

Aoi Trio

出演日:2019年4月24日(水)14:00

Wednesday 24 April 2019 , 14:00

今どのくらい音楽をしているか、そしてその後の追求を、見守って聴いていただきたい。

演奏者・教育者として精力的に活動するチェリスト・山崎伸子がプロデュースする、有望な若手アーティストを紹介する室内楽コンサート・シリーズ「未来に繋ぐ室内楽」。気鋭の若手クァルテット「クァルテット・トイトイ(現クァルテット・インテグラ)」(vol.1)、ミュンヘンARD国際音楽コンクール2位受賞の「カルテット・アマービレ」(vol.2)、日本音コン等国内の名門コンクールを制覇したチェリスト6人による「チェロ・アンサンブルの響宴」(vol.3)と続き、今回出演する「葵トリオ」は4回目にして初のピアノ三重奏(トリオ)。彼らは2018年に「アマービレ」も入賞したミュンヘン国際のピアノ三重奏部門で、日本人団体初の優勝!&室内楽部門では東京クヮルテット以来の優勝!という快挙を成し遂げ、国内の並み居る室内楽団の中でも、今もっとも注目されている存在といえるでしょう。
山崎氏も実は彼らがコンクールを受けている最中から注目していた団体、まさに入賞からコンサートまではベストタイミング。19年1月中旬、お忙しい葵トリオのメンバーから、ピアノの秋元孝介さんとチェロの伊東裕さんのお二人に話を伺いました。

葵トリオを結成されたきっかけを簡単に教えて下さい。

伊東:メンバー全員がサントリーホール室内楽アカデミー第3期に参加していたんです。僕と小川さんはカルテットで参加していて、秋元くんは個人で参加していました。そこで出会いがあり、藝大の学年も近くてほとんど同期、さらに全員関西出身ということもあって、トリオをやってみよう!ということになり、藝大の授業で組み始めたのが最初ですね。

 

最初に合わせて、これはもうすぐにこの三人でいける、という感じでしたか?

秋元:最初は何をやったかなあ。ベートーヴェン?チャイコフスキーもやろうとした?

伊東:最初は本当にとりあえず遊びで初見で、でしたが、ちゃんと取り組んだのはベートーヴェンの6番だったかな?

秋元:そこまで深く考えていこうという感じではなく、とりあえずやってみようか、という感じでした。今後を見据えてというよりは、とりあえず授業で一度やってみて、それから、という感じですね。

伊東:「葵トリオ」という名前を付けたのは初期の段階でした。結成後割とすぐに本番を頂いて、そこで名前が必要ということになって。ただその後演奏会の頻度がそれほど多かったわけではなく、細々とできるときに集まって、という感じで…。

秋元:彼(伊東氏)はすぐにザルツブルクに行ったりしたから、どっちみちそんなに演奏会は出来なかったですね。

伊東:最初の本番が2016年の6月にあって、その次の本番が2017年の2月くらいの藝大の室内楽定期、その後は1年くらい。

秋元:2年間で、本当に片手で数えるくらいしかやっていませんでした。名前はついていたけれど実質見られない、というところがありましたね(笑)。

 

そんな中、今回ミュンヘン国際コンクールに「葵トリオ」として出演することになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。

伊東:僕が友人からミュンヘン・コンクールが来年あるよと聞いて、「葵トリオ」もあるし挑戦してみようかな、と最初小川さんに話したら「あ、やってみたいかも」とちょっと好感触で。そこから「じゃあ、秋元くんにも相談してみよう」といって電話で相談しました。秋元くんも自分の予定が入っていて、最初はちょっと考えてからと言っていましたが、最後は快諾してくれて受けました。

秋元:伊東くんが最初に誘ってくれたんです。発起人みたいな感じで。

 

ソロ活動やトリオ以外のアンサンブルに対して、ピアノ・トリオの面白さと難しさはどんなところにあるでしょうか。

秋元:ピアノは、色んな楽器とアンサンブルすることが多いです。だからソリストや相手によって、自分の演奏の雰囲気を変えなければいけません。その演奏者の個性が必ずしも自分と一致するわけではないので苦労は多いのですが、このトリオでは3人がそれぞれ思っているものは違っても、作品を仕上げるための到達点・ゴールのようなものは同じものを持っている気がしています。それぞれ皆違う道を通るけれど、最終目的地が同じなので、音楽をより作りやすい。方向性が合っているのが、他の人と演奏するときと違うところですね。
古典派作品はピアノが目立つ曲が多いのですが、それでも、どれだけピアノが活躍してもこの3人が一つの音楽にする、という意識は常に持つようにしています。いくらピアノがほぼ全ての旋律を弾けるとはいえ、弦楽器が曲を弾けないと明らかにバランスもおかしいし、作品を全部聴き終わった時の充実感が全然違いますから。

 

一方でチェロはどうでしょうか?

伊東:実は僕は最近までピアノ・トリオの経験があまりありませんでした。普通高校にいたので、大学まではそんなにアンサンブルに参加する機会はありませんでした。大学に入ってからしばらくカルテットに参加していて、そこではずっとバスを担当していましたが…ピアノ・トリオというのは「バスも弾くけどメロディも弾く」というのが結構違ったところではあるかな、と思います。
やはりピアノが入っている室内楽は、弦だけのアンサンブルとは音の出し方の意識を変えないといけません。チェロは音の立ち上がりが特に遅いので、指摘してもらったり自分で録音を聴いたりして、そういった点にまず気をつけないといけないと思っています。やはり音楽的にはピアノの比重は大きいのですが、カルテットとはまた違った感じでチェロも音楽の方向を決める大切なパートである、と感じるようになってきました。やはりカルテットや他と一番違うところは、ピアノがあるかないか、というところになるかと思います。
トリオだと、チェロに割り当てられるメロディの比重も大きいです。カルテットではほとんど振り分けられませんが、トリオになるとほぼ半分くらいメロディがある曲もあったり、ヴァイオリンとデュエットもしたり…。小川さんも秋元くんもすごく耳が良いので、しっかりアンサンブルをおろそかにせず、お互いを尊重しつつやっていく、ということが一つの特徴かと思います。そういった点で、ぱっと集まって演奏するグループと、常設のトリオとの違いは、そういうところかなと思います。

 

一人一人のパートの比重が重い分、方向性が少しでも違うと、それを調整するのが結構大変そうだな…と思うところがありました。そういうことは実際に合わせの時などに起こりますか?

伊東:葵トリオは比較的そういうことがないグループだと思います。ですが山崎先生には、意味合いを見つける時に、まず合わせるのではなく、もっとそれぞれやりたいことをやって合わないところから修正していくほうが面白い、といったことはよく言われます。

 

ミュンヘン国際コンクールの中で印象的なエピソードは何かありますか。あるいは、他の団体はどのように聴かれたでしょうか。

秋元:向こうでは時間の都合でほぼ他の団体を聴けなかったというのもあるのですが、ずっと合わせをしていたというのもあり、やはり他のグループを聴くと何かちょっと色々気になってしまう(笑)。途中で落ちたら、その後はずっと聴くつもりだったのですが、結局ありがたく残ったので、本当に一組だけしか客席で聴けませんでした。全団体の演奏を聴いた審査員の意見や、他の団体の録音なども、実際自分で聴いていないので分からないのですが…審査員の方が言うには、僕たちは他の団体とはちょっと違っていた、というか少し変わっていた部分があったようです。

先ほどの山崎先生の話にも通じますが、他の大多数のグループは、各々がまずこの作品に何を感じているかということを出して、そこがまずありき、で…合わせるというよりはそれぞれがまず音楽に対して思っていることをしゃべる、ということに比重を置いていたようです。それが強すぎてアンサンブルがうまくいかなかったグループもあったようですが…。一方で、僕たちはソリスト的な弾き方ではなく、室内楽のアンサンブルに親密感がありクオリティの高いものを求めていたので、他の団体と僕たちが大きく違っていたところはおそらくそこだったのかな、という感じがしましたね。

伊東:審査員の方が、色々な意味で3人のバランスがとても良かった、と仰ってくださりました。メンデルスゾーンなどでピアノが強すぎる団体もあったようです。

秋元:単純に音量だけではなく、ソリスト的な技巧や自分の表現を持っていることと、室内楽としての耳をもってアンサンブルをする、という心がまえやそのバランスが良い、と仰っていました。両方大切なことだと思うのですが、やはりピアノ・トリオは他の室内楽と違ってそれぞれに任されるテクニカルな部分や音のクオリティの比重がすごく大きいと思うので、その部分もおろそかにしてはいけないと思いますし、一方で室内楽というアンサンブルのクオリティも保たなければならないので。

 

ちなみに音楽的な事とは別に…今回のコンクールを受けられて、面白かったエピソードなどはありますか?(笑)

伊東:全然音楽と関係ないのですが…二次(審査)に進むと、決まったレストランで使える食券がもらえたり、指定のホテルに宿泊させていただいたりと、残ったラウンドまで補助してもらえるのですが…食券がかなり大量にもらえて、最後余っちゃったんです(笑)。そしてコンクールの審査が終わってから受賞者コンサートまでは1週間くらいあったんですが、その期間も食券を出してもらっていて、もう今回きりで終わっちゃうから残っても仕方ないし、最後は贅沢しようと(笑)、レストランで一番高いメニューだけみんなで食べきれないくらい頼んで、使い切れないからワインも買って帰ろう…とかやっていました(笑)。

秋元:コンクール期間はどうしてもなかなかそんなことできないので…(笑)。初の一次(審査)が終わるまでは滞在場所などの提供が無かったので、AirBnB(民泊)で、3人で1つのところを借りて自炊していました。ごはんはやっぱり大事ですね。外食続きはしんどいので。キッチンがあったのは、気分転換にもなったので良かったです。
昼に合わせをして、晩御飯を一緒に食べて、今日の練習の反省会をして…コンクールの一週間前くらいから現地には行っていたのですが、その時間はすごく良かったなあと思います。ピアノのピッチが日本より少し高かったり、湿気や響きも全然違ったりなど、それに慣れるということもあって、合宿みたいな感じで臨めたのは良かったと思いますね。

伊東:あとミュンヘンは審査結果の発表方法が変わっていて…結果は紙で張り出されるんですが、他のソロの部門は何人かの審査が終わった段階でそれごとに、その日の午前の部は○×○×、みたいな感じで結果が出るのに、なぜかピアノ三重奏部門だけは予選ごとにしか結果が出なくて…「え、全員落ちたの?」とショックで(笑)、すごくハラハラしながら毎回、結果待ちの時は胃が痛かったです(笑)。

秋元:一次予選で3日あったら、2日目の午前中まで弾いたところで1回結果を出す、という感じだったんですけど。

伊東:通ったところはシールが貼られるんですが…本当に全員ダメだった?とかいいながら(笑)。本選に行く三次の結果は会場でアナウンスされるんですが、誰が呼ばれたのかよく分からず、名前だけ呼ばれて、舞台に出たグループも、通過なのかどうかさえ分からず…出ながら「え、結局どうだったの?」と話していました(笑)。他の語学が堪能なグループでさえ、「今どういうこと?」と分かりづらい様子で、本選の結果発表の時も、何位だったの?どういうこと?という感じでした(笑)。
シューベルトを弾いたあとに休憩が入って、舞台袖にいた時に、審査員の方々が通っていかれるんですけど、ある方がすごく感動した、と直接言って下さったんです。それは印象的で、すごく嬉しかったことを覚えています。

秋元:とにかくお客さんが多かったです。1次からミュンヘン音大のホールだったんですけど。

伊東:300か400人くらい入る会場かな?2階席は審査員の方々がいらして、1階席はほぼ埋まっているように見えました。

秋元:普通に街の人たちもたくさん来ていました。会場が開く前から皆さん並んで。本選はいっぱい来るだろうとは思っていましたが、1次予選からいっぱいだったので…ミュンヘンは毎年やっているから、本当にもう街の行事みたいになっているんだなあと思って、それは驚きでしたね。

 

ミュンヘンという街自体はいかがでしたか?

伊東:僕はすごく好きな街です。僕はザルツブルクに住んでいて、時々コンサートを聴きにミュンヘンに行きますが、本当に田舎から都会に行く感じなんです。大体バイエルン・チケットというのが5人くらいで行くと安くて、駅に着くとみんな「都会だ?!」ってなる(笑)。ザルツブルクは小さな街の良さがありますが、ミュンヘンは大都会で、街も本当に綺麗で、ごちゃごちゃしていない。ちゃんと広場もあって落ち着いて過ごせるんです。

 

フィリアホール公演のお話に戻ると、今回のプログラムは珍しいアイヴズ作品が含まれるなど、ユニークな構成になっています。聴きどころ等を簡単に教えてください。

秋元:やっぱり室内楽をやる上でベートーヴェンは欠かせないと思っていて、ベートーヴェンはやりたいな、と思っていました。一方で先ほどお話したように、今までコンサート活動をあまりやってきていないので、新しいレパートリーも開拓したいという思いもあって…。

伊東:シューベルトは僕が提案しました。コンクールの本選ではシューベルトの(ピアノ三重奏曲)第2番を弾きましたが、僕はそれまで2番を弾いたことがなくて…一方で1番は弾いたことがあって、すごく好きだったんです。もちろんコンクールで弾いた2番は本当に大好きになりましたが、1番も負けず劣らずすごく良い曲だと思っていて、やはり今からレパートリーを増やしていく上でやっておきたいなというのもあって、ぜひやってみない?と話をしました。

秋元:せっかくコンクールでこういう機会を頂きましたし、アイヴズはコンクールで弾いた曲なので、それも入れたいなと思いました。王道の曲も入りつつ、全然系統の違った曲も入れると、お客様はそのほうが面白いかなと思って、アメリカの作曲家を入れることにしたんですよね。アイヴズはすごく演奏に苦労したんですが、意外と好評だったので、せっかくなのでこの機会にコンクールで演奏した曲も皆さんに聴いて頂きたいと思い、このようなプログラムになっています。

 

近い時期に他の会場で出演されるコンサートでは、なんと全てプログラムが違いますが…それだけの曲をやらないといけないというのは大変だと思います。

秋元:大変です。みんな大変ですけども(笑)。

 

ピアノ・トリオの曲であえてこの曲が非常に好きだというものは何でしょうか?

伊東:それこそコンクールで、シューベルトの2番があんなにいい曲だというのに気付かされました。本当にコンクールに来てよかったな、というくらい、この曲が多分トリオの中でも1番です。難しいところもありますが、本当にすごい曲だなと思います。CDとかだと楽章抜粋できる聴き方になってしまいますが、コンサートで2楽章や4楽章も通して全部聴くと、すごく意味合いが分かる気がします。

秋元:本選でシューベルトの1番か2番が必須だったんです。僕はずっと2番がいい2番がいい、と言い続けていて(笑)。

伊東:僕は弾いたことがあるから1番と言っていて(笑)。

秋元:そういっていたけど、僕は2番と言い続けて(笑)。ずっと前から僕は魅かれていた、というのがありました。

伊東:弾いたことはなかった?

秋元:なかったけど、やりたいな、というのはすごくあった。色々な意味で大きい曲でもありますし、技巧的にもピアノは大変なところが多いので、コンクールの曲の中で僕は一番苦労した曲ですが、それだけ思い入れのある曲なので、長いスパンで弾けたらいいなと。大切に弾いていきたい感じですね。

伊東:ベタですが、メンデルスゾーンの1番の第2楽章も好きだったりします。ハイドンの作品も、コンクールだからこそ掘り下げていくと、こんなに面白いのか…という、ハイドンの凄さを感じます。工夫のし甲斐があるというか。

秋元:ハイドンの曲は、発想が奇想天外すぎて本当に面白い。聴いても面白いですが、演奏してみるとやはり、いかにクリエイティブな作曲家だったか、ということが今回はっきりしましたね。モーツァルトともまた全然違って。

 

師の山崎伸子先生から教えを受けて、印象的だったことがありましたら教えて下さい。

秋元:楽器を持たずに曲について話し合う、意見を言い合う時間が全然足りない!と言われたのは、すごく個人的には「ああ、そうか…」と思うところがありました。割とちゃんと話して合わせをしていたつもりで、やみくもに弾くのではなく、気になるところは指摘し合って…と思っていましたが、それではやはり足りないんです。
例えば、自分が全然弾いていない箇所、弦の二人だけが弾いているところであっても、僕はちゃんと二人の演奏を聴いて、やはりどこがどう、と指摘するくらい作品に理解がないといけないし、逆に僕が一人でピアノを弾いているところも、彼らから意見をちゃんともらわないといけない。そういう意味で、お互い音楽家としてのつきあいが足りない、と言われたことははっとさせられました。
わりと3人とも平和主義なので(笑)ぶつかることがほぼないんです。あったかな?ちょっと意見が食い違うくらいはありますが、バチバチするということがないので…。だから遠慮せずに、ちゃんと「自分はこう思っているけど向こうはこう思っている」と意見を交わしたり、客観的に聴いてどれが今いいのか、とか、今回はこうして次はこうするのか、など…そういう結論を出したり、というところが、今まで足りていなかったのかな?と。
これから演奏活動をしていく中で、コンクールで賞を頂いたここからがスタートなので、常によりいいものをお客様に聴いて頂きたく、今までと同じようなリハーサルではだめだなと思っていて、気をつけなければならないと思っています。

伊東:リハーサルの際に、まず合わせることに意識がいくと、それぞれが一番やりたいことを抑えてしまうことが多々あります。でもそれではいけない、ということを山崎先生は強く仰って下さります。「お客様に何が伝わるのか」や「聴いていてどういうところが面白いか」ということにまず意識を向けることで、演奏がかなり変わってくると思います。そういった問題を乗り越えることで、音楽的に成長していくのだと思います。昔から同じことを言われるのですが、なかなか難しいところです。

秋元:どの曲も、そのことが原因でこうなっているかな?というのが多い。

伊東:4月の公演に向けても、そういった意味でひとつ乗り越えて演奏できればなという覚悟でやりたいです。それこそ山崎先生もレッスンなどでそこを一番注意深く聴いて下さると思います。

 

以前の公演でのリハーサルを指導されていた際も、そこはもっと出して、主張して、とメンバーにひたすら仰っていましたね。私のような聴衆からすれば、すごく完成度が高く「出来上がっている」ように聴こえるんだけれども、そこから更に踏み込んでほしい、と仰っていて。

伊東:日本人はすごくそういうグループが多いとおっしゃっていました。アンサンブルはすごく上手、でもその反面…という。
クァルテット・ベルリン・トウキョウという弦楽四重奏団がありますが、山崎先生からお話を伺っていて、以前カナダのコンクールで演奏を聴いたのですが…本当に素晴らしかったです。この団体はメンバーに外国の方もいて日本人だけじゃないし、全員海外で学んだ方、というのもあるかとは思いますが…それこそ縦の線や音程だけではなく、音楽的にすごく合っているんです。彼らは譜面台が飛ぶくらい激しく争うように合わせをするらしいのですが、別に仲が悪い雰囲気を感じるわけではなく、それだけ意見をぶつけてこその細かくて幅広い表現が凄いなと思いました。ベートーヴェンの「セリオーソ」を聴きましたが、衝撃的でした。

 

フィリアホールにいらして頂くお客様にメッセージをお願いします。

秋元:昨年コンクールで賞を頂き、今年から本格的にこの「葵トリオ」として活動していくことになったので、本当にその初めの一歩の段階として、今どのくらい僕たちが音楽をしているかというところを聴いてほしいですし、その後できればずっと、僕たちが音楽を追求していくところを、お客様にも見守って聴いて頂きたいと思っています。

伊東:日本は常設のピアノ・トリオやカルテットが少ない中で、常設で頑張っていこうと思っている団体と思って聴いて頂きたいです。常設としての覚悟をもって3人でやっていく、というところを感じ取ってもらえるような演奏もしたいし、そういったところも楽しみにして頂きたいです。

 

ありがとうございました。

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フィリアホール ミュージックアカデミー・プログラム
山崎伸子プロデュース 輝く若手演奏家による「未来に繋ぐ室内楽」Vol.4
葵トリオ

 

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