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金川真弓(ヴァイオリン)

KANAGAWA Mayumi, violin

出演日:2022年10月16日(日)14:00

Sunday 16 October 2022 , 14:00

次世代ヴァイオリニストが継ぐ、アメリカの伝統とベルリンの革新

ドイツで生まれ、日本でヴァイオリンを学び、そしてニューヨークとロサンゼルスを経て現在はベルリンを活動の拠点に置く新鋭ヴァイオリニスト・金川真弓。名門であるチャイコフスキーとロン=ティボーの両コンクールで上位入賞を果たしたことで、一躍世界的な注目を浴びています。そんな彼女が10月に横浜でリサイタルを行うにあたり、インタビューでお話を伺う機会ができました。
リサイタルに関する曲目・コンセプトの紹介はもちろん、世界各地で活躍する次世代のホープのひとりが今何を考えながら演奏活動に取り組んでいるか、貴重なお話を伺うことができました。今回使用することになった楽器・ストラディヴァリウス、またチャイコフスキーコンクール前後の藤田真央氏との知り合う経緯など、興味深いお話も!ぜひ充実したロング・インタビューをご覧いただき、コンサートに足を運んでいただければと思います。

2022年リサイタルのプログラムについて

- 今回、金川さんは2022年10月に、ここ横浜と、東京・兵庫でリサイタルをされます。東京文化会館の公演と、今回の横浜公演では同じプログラムを選ばれています。名曲として知られるバッハとベートーヴェンのソナタ、その間に武満&ドビュッシーとフランスの香りを感じさせる曲が間に挟まっている、何かしら狙いを感じる構成を感じられます。この曲目を選ばれた理由を教えて下さい。

金川:仰るとおりです(笑)。ブックエンドとして大きな曲があるので、間に少し軽めの作品で「息抜き」を入れました。このプログラムは、全て一つのテーマで統一されているというものではなくバラエティに富んでいますが、共通点も持ち合わせています。
 (J.S.)バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番は、バッハの無伴奏作品中でも一番長く大きい構成のソナタです。特にフーガは、実際に弾くためなのか、それとも勉強のための曲だったのか…というような、他にあまりない難しい作品なので、瞬間から瞬間までの移り変わりを聴くというより、もっと大きく全体を把握する必要がある曲だと思っています。
 一方でフランス作品は、一種のステレオタイプかも知れませんが、ブロックを一つ一つ積み重ねていくというよりは、一つのブロックがどういう色なのかを動きながら見ていくような、「聴きながら旅をする」楽曲です。
 その後に、ベートーヴェンのソナタの中でもすごく長い「クロイツェル」。バッハもすごく長いですね(笑)。でも、クロイツェルはストラクチャー(構造)が珍しいとか凝っている作品というより、とにかくエネルギーが溢れかえっている感じで、テーマ(主題)がいくつも出てくるわけでもなく、ひとつの小さい種がいくらでも大きくなる…という感じです。後半は、ドビュッシーのように瞬間的に音を聴く状況からクロイツェルまで、ひとつの長い線もありながら、色々な驚きを感じ、また常に燃焼している感じを楽しめるかな?と思って、このプログラムにしました。

- 構築的な作品と、瞬間の音の移ろいを感じる2曲、この対比はありそうだなと思っていました。バッハのソナタは、昨日(9/5「N響名曲コンサート2022」でのNHK交響楽団との共演)もアンコールで演奏されましたよね。先日に都響(東京都交響楽団)と共演された時もアンコールで演奏されていて、すごく思い入れのある曲なのでは?と思っていました。アンコールでこの曲をちらっと聴かれたお客様が、リサイタルで全部聴けるということを楽しみにしている方もいらっしゃると思います。

金川:私にとっても、全楽章を人前で弾いたことはありますが、そんなに何回も弾いたわけではなく…。やはりヴァイオリンをソロで弾くというのは意外と怖くて(笑)。

- 覚悟が必要ですよね(笑)。

金川:だから、ピアニストが2時間1人でステージに立つっていうのは本当にすごいなと思います。自分は5分だけでこんなに緊張するのに… だからアンコールで少し弾いて、場慣れするんです(笑)。

- あえて武満作品を入れているのは、金川さんのルーツが日本、というところも意識されているのでしょうか。

金川:はい。藤田真央さんとのリサイタルでも演奏しましたが、日本人の作曲家でヴァイオリンとピアノの曲を探していて見つけました。とても雰囲気があり、弾く度に色々違ったものを楽しめる曲です。ピアニストによっても作品の聴こえ方がとても変わるし、色々できてすごく楽しい、やりがいのある曲です。

- ドビュッシー作品にも近いところがありますね。演奏家によって解釈が変わる曲なので、今回も独自の演奏が聴けると思うと楽しみです。
意外とクロイツェルソナタは、知名度に対して、リサイタルで実演される方はそれほど多くない気がしています。フィリアホールでも取り組んだベートーヴェンのソナタ全曲演奏プロジェクトなどでは当然登場しますが、やはりヴァイオリニストにとってはかなり重い、弾くのに覚悟がいる曲なのだろうな、と思っていました。

金川:ヴァイオリニストよりピアニストのほうが、覚悟がいるかもしれません(笑)。

 

共演ピアニストについて

- ピアニストのグァレーラさんですが、藤田真央さんが今年の1月にフィリアホールに(ニューイヤーコンサートで)協奏曲を弾きにいらした際に、この公演のポスターに載っていたグァレーラさんの名前を見てすごく驚いていました。向こうで大変お世話になっていたとおっしゃっていましたが。

金川:もともとジュゼッペと真央くんが、ヴェルビエ音楽祭で一緒になって、ジュゼッペがコンクールの前に私に電話してきて、「すごく上手な日本人の男の子が参加しているから、日本でリサイタルするのであれば、彼が空いているかどうか聞いてみるべきだ」って言ってきたんです。それで、一緒に(浜離宮朝日ホールで)リサイタルをすることになりました。

- そんなつながりがあったのですね!

金川氏マネージャーのT氏:チャイコフスキーコンクールが始まった時には、もちろん藤田さんはそれまでにもコンクールで優勝されていたので名前は存じ上げていて、あれ!?そちらもチャイコフスキー出られるんだ、という感じでした(笑)。金川にも「なんか藤田くんも出られるらしいよ」と言っていたのが、あれよあれよと二人で通っちゃいまして(笑)。

- 我々観客の多くは、チャイコフスキーコンクールで出会って知り合ったんだろうなあ、と思っていたと思います(笑)。

金川:ホテルの朝食時に見かけて、ああ、この人だろうな?と思って話しかけて、今度一緒に弾くんだよね、っていう会話がありました(笑)。

- そうでしたか、出逢いに感謝しないといけませんね(笑)。一方でジュゼッペ氏もプロフィールは素晴らしい。クロイツェルは難曲ですし、相当の実力をお持ちなんでしょうね。

T:初めて一緒に共演した曲がクロイツェルソナタですよね。

金川:そうです。

- それだけ信頼できる方とでないと、このような大曲はなかなかできないと思います。

 

オーケストラとの共演について

- 今回はリサイタルですが、これまでオーケストラと協奏曲を沢山演奏されて、日本の聴衆の方はコンチェルトでの演奏を聴かれている方のほうが多分多いと思います。コンチェルトを弾く時と、ご自身でプログラムを決められてリサイタルで弾く時では、違うところも多そうですが。

金川:それは結構あります。まず、弾いているときのスタミナが違います。コンチェルトってたくさんの人の前で弾くから、その分使うエネルギーも違うし、リサイタルホールよりもホールが全体的に大きく、エネルギーをものすごく使います。ただ、それでもヴァイオリン協奏曲だと長くて30分くらいですよね。
一方で、リサイタルというのはお客様がコンサートの最初から最後まで同じ空間で過ごすので、もう少し長い範囲の波があります。コンチェルトは1曲なのが、リサイタルは1プログラムというのは、全然ペースづくりが違います。それがステージに立っている時の大きな違いです。
 そして実際、プログラムの準備も違います。オーケストラって、コンサートは何年も前から知っていたとしても、実際指揮者とオーケストラに会うのは2日前とかですよね(笑)。一方で室内楽とかリサイタルは、全体的に一緒に過ごす時間がよほど多いので、本当に一緒にプログラムを作った!という感じがあります。オーケストラと指揮者との共演コンサートは、自分で準備して、覚悟して入っていく… という感じですが、リサイタルは、色んな精神的な旅を一緒に過ごして、その終わりでステージに立つ… というのが、私はそれぞれ違っていいなと思っています。

- オーケストラの指揮者も色んな方がいらっしゃるでしょうしね。

金川:2回目に会うだけでも、最初とは全然違います。それは曲も同じで、初めてステージで弾く曲は大変です(笑)けれど、2回目からはまた別の経験、という感じです。
 色んなオーケストラや指揮者との演奏を経験して感じるのは、どれだけオーケストラがうまくても、一人ずつの音楽性や音の質とか、皆が上手だと分かっていても、信頼できる人が前に立っていないと、その可能性を全部まとめられないと思ったりします。逆に、学生が集まって一人ずつがそんなに弾けなくても、そこから何かすごいエネルギーを引き出せる人がいると素晴らしくなる。毎回色んな組み合わせで、色んなものが出てくるから、オーケストラはすごいです。最初はひとりで、自分がソロを弾けるかどうかだけ心配だったのが、その必死さがなくなって、室内楽みたいに短い時間でも色々な注意を払うことができるようになったら、毎回違って面白くなる。人間ほど計算できないものってないじゃないですか、そこがいつも面白いんです。

- 確かに色んな方との演奏の中で、あらゆる事が起こりますからね。

金川:1人のリサイタルパートナーでも、リハーサルの日によって、全然雰囲気も違いますしね(笑)。

- 会場によっても雰囲気がだいぶ違うこともあるでしょう。今回のリサイタルは別会場では若干曲目が違いますし、ますます会場ごとに色々なことがあるかもしれませんね(笑)。

 

楽器について

- 少し話は変わって、新しい楽器のことも伺ってよろしいですか?

金川:“ウィルヘルミ”と名前のついたストラディヴァリウスで、1725年製作のものです。

T:以前、バイバ・スクリデさんが使用されていたと伺いました。

- 前の楽器はペトラス・グァルネリウスでしたね(チラシに記載)。

T:みどりアートパークでのリサイタルは都内で最初にストラディヴァリウスでの演奏を聴ける公演になりますので、すごく貴重です!

金川:私の先生(コリヤ・ブラッハー氏)もストラディヴァリウスを弾いているのですが、行く国々によっては管理が少し大変です。

- 特に湿度など、本当に管理は大変そうですね。

金川:はい。でもこのすばらしい楽器で演奏できることをとても楽しみにしています。毎日ケースを空けるのがうれしくて、この楽器の音色やたくさんの可能性に、私も習うところがたくさんあります。ぜひ多くの皆さんに一緒に感じて頂きたいです!

 

師について

- 先ほど少し先生のお話が出ましたけれども、師匠のコリヤ・ブラッハーさんについて。以前の音楽雑誌のインタビューで、金川さんの演奏についてすごく褒めていらしたのを拝見しました。先生はどういう方ですか?

金川:私はこの前卒業するまで、10年間先生についていました。すごくいい先生です。音楽家としてもヴァイオリニストとしても、自分にも他の人にも厳しい(笑)。だけどすごく威厳(Integrity)があり、芯が通った人で、とても平等だし親切だし、人として色々学ぶことがあって、本当にブラッハー先生につけて良かったなあと思います。

- 師事する先生によって、演奏のスタイルが変わってきますからね。レパートリーなどもアドバイスを受けられたのですか?

金川:はい。最初の頃は20世紀に作曲された協奏曲作品に随分集中して、まず音を習え!という感じですごい勢いで練習しました。彼自身も長い間オーケストラの経験もあるし(元ベルリン・フィル第一コンサートマスター)、室内楽の経験もあるし、指揮なしのオーケストラのコンマスだったり、ソリストだったりします。色んなレパートリーも知っているし、色んな指揮者や音楽家にも出会っているし、スタンダードなレパートリーも全部知っておきながら、随分たくさんの現代の新しい曲も勉強しています。そういう意味では、すごくオープンに相談できます。そして、今何が起こっているのかちゃんとアップデートし、よく把握している先生でしたから、レパートリーのアドバイスなども私の知っているものだけという感じではなくて、すごく面白い。

- 細かく面倒を見てくれる、よい先生なんですね。

 

室内楽について/他のアーティストについて

- 室内楽については、来日時はまだあまり機会が多くないと思うのですが。

T:直近では、小菅優さんプロデュースの、サントリーホールのサマーフェスティバルの公演で、4人で室内楽共演しました。
 (共演:小菅優(ピアノ)、ベネディクト・クレックナー(チェロ)、吉田誠(クラリネット)出演者敬称略)

金川:そのときはメシアン、武満などを演奏しました。あとこの前、パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)で、ベートーヴェンのヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲と、ブラームスのピアノ三重奏曲第1番を弾きました。共演者は北村朋幹さん(ピアノ)と、上野通明さん(チェロ)。

- その組み合わせはいいですね!皆さんドイツで勉強されていましたよね?

金川:そうです。みんなでベルリンで会って、リハーサルして、一緒に札幌に行きました。

- 上野さんも北村さんも素晴らしいアーティストです。他に同世代やベテランの方でも、好きなアーティスト、今注目されている方はいらっしゃいますか?

金川:私は小さい時から、ヒラリー・ハーンの大ファンです(笑)。

- 演奏を聴いた時に、演奏スタイルが彼女に近いところを目指しているようには感じられました。以前フィリアホールでヒラリー・ハーンが、今回演奏されるバッハのヴァイオリン・ソナタ第3番を弾きましたが、そのときは、なにか人間技ではないような、こんなに完璧な演奏ができるんだ…と感銘を受けた記憶があります。

金川:様々なプロジェクトに取り組んだり、どんどんキャリアを展開・発展させている感じは、すごくアーティストとして、ヴァイオリニストとして尊敬するところです。

 

演奏について

- コリヤ・ブラッハー氏もインタビューで語っていましたが、浜離宮で藤田真央さんとのリサイタルを聴いた時に、金川さんが曲ごとに演奏スタイルを柔軟に変えられるところが凄いと思っていました。作品ごとに奏法、解釈を徹底的に研究して、深い次元で曲に寄り添うことができるのが、次世代の方はやっぱり違う!と思いましたが、意識して取り組んでいるところはあるでしょうか?

金川:そうであるところもありますし、そうでないところもあります。難しいですが、でも仰っていることは分かります。ブラッハー先生はとても分析する方で、音を出すために、駒と指盤の間のどこを弾く、弓の強度は、角度はこうする、重さと弓の緩急、サウンディング・ポイントの組み合わせ、ありとあらゆる事を1個ずつカテゴリーに分けて、その全部を組み合わせる…といったことを指示するのです。

- 驚くほど分析的なんですね!

金川:そう。ヴィブラートも幅と速さなど全ての組み合わせ、みたいな感じです。でも意外とそうやっていると、デフォルト(普通)にいつもいく、という風にはなくなり、そこからはずれる道を見つけられる。そういう意味で、意識してもっと極端にこういう風にやってみようと試して、色んな音を見つけるプロセスを私もやろうとしています。
 ジュゼッペや、周りの友人にもロシアの学校で学んだ音楽づくりができる人などがいるのでそういった友人の話も聞いたり、本を読んだりして、エモーション(感情)を呼び起こす鍵・キーワードを見つけて、そこから全ての表現を起こす…みたいな感覚で音楽を創っていきます。いっぱい積み木があっても、キーワードが磁石だったら、そこに全部吸い付いて形ができる…という感覚です。また、同じ積み木でも、どこに磁石を置くかによって、形が全く変わりますよね。そういう感じの練習もします。だから、色んなものの組み合わせですね。

- そこまでやっているとは…。

金川:それはステージで見えたらだめなのですが(笑)。

- 藤田真央さんも、弾く曲によって演奏のスタイルを変えられる人です。最近の若手アーティストはそこが凄いですね。

金川:でもそれと逆側として、流派ごとの特色のようなものは少しずつ崩れていっています。

- 確かに、なんとなく世界的に全ての演奏スタイルがインターナショナルになっていっているところがありますよね。

金川:たとえば、フランスではバッハでもドビュッシーでもこういう風に弾く、というスタイルのようなものが、少しずつ減っていますよね。

- ベルリンはそういう面ではコスモポリタンな場所なので、そこで学ぶ方は、そういった潮流に早く適応できるところもあると思います。金川さんの演奏のスタイルでいうと、ベルリンの前にアメリカでも長く学ばれているので、そちらの影響も感じられるのですが、やはり意識しているのでしょうか。

金川:よく聴いていて下さって嬉しいです(笑)。結局アメリカンスクールって、イヴァン・ガラミアンとかを通して、もともとロシアから来たものですよね。今のドイツでの流行りのヴァイオリンスクールとはちょっと違うもので、私は全体的にもう少し、オールドファッションでユダヤ系な演奏スタイルだと思っています(笑)。でもブラッハー先生もドロシー・ディレイに習っていたんですよね。だからその筋は強くて、共通するものがあります(笑)。

- ディレイ門下は演奏を聴けば分かると言われることもありますが(笑)金川さんもその遺伝子を確実に継いでいると思っていました。

金川:私は川崎雅夫先生に5歳から12歳まで習っていたんです。楽譜にいつも何かを注意するところの列の終わりに×と〇を…狸のおへそみたいにマークしてあって、昔弾いた曲をブラッハー先生に持って行ったら、「これはディレイに学んだのか?」と言われました。川崎先生の英語の書き方とマークが、ディレイ先生と全く同じだったんです(笑)。

- 着実に伝統が受け継がれているんですね!

 

今後の展望について/日本の聴衆について

- 今回のリサイタルの後で、今回はプログラムに乗せていないけれども取り組んでみたいという曲やプロジェクトといったものはありますか?

金川:私はすごく先までプランするのが得意ではないんです(笑)。

- 日本の聴衆の方からはどんな感じを受けますか?日本の聴衆は皆静かに聴いてくれる、と多くの海外アーティストが仰いますが。

金川:静かですよね。私が一番ドキッとするのは、演奏直前に拍手がいっぺんに止まる瞬間です(笑)。

- 演奏をスタートする時に、スッと音が止む瞬間、ですね…。

金川:そう、一斉に。海外ではもっとパラパラと拍手が止んでいくのですが、日本では急に静まりますよね。あと、アンコールのときに楽器を上げると、その合図でみんな拍手を止めるのは、少し面白いです(笑)。

T:じゃあ、今度こうやって上げて、すっと下げてみては(笑)。

金川:“Just kidding”(冗談だよ)って(笑)?

- 確かに日本人はそういう集団行動に慣れているというか、一音たりとも演奏されている音は聴き逃さない、というのを感じますよね。聴衆の暗黙のルールのような。

金川:それと同時に、これだけ曲の事を予めよく知ってから聴きに来ている人が多いですね。他の国ではあまりない事。それもすごく弾き甲斐があり、特別なことですね。
一方でヨーロッパの田舎で、こどもの頃からずっとピアノを弾いています、みたいなアマチュアの方がお客様にいらっしゃると、それはそれで楽しいです。どんな方がいらっしゃるか分からないから(笑)。

- 確かにそういう所ではフレンドリーな演奏が出来そうですね(笑)。
今回はフィリアホールが改修工事で休館中ではありますが、みどりアートパークのホールも音響は素晴らしい会場なので、本当に楽しみにしています。
本日はありがとうございました。

※インタビュー本文中は出演者敬称略
(取材・文:フィリアホール企画制作部 協力:パシフィック・コンサート・マネジメント)

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コンサートの詳細はこちらをクリック↓
2022.10.16(日)14:00開演「金川真弓 ヴァイオリン・リサイタル」

※会場:緑区民文化センター・みどりアートパーク ホール

金川さんからの動画メッセージもぜひご覧ください!こちらをクリック↓
金川真弓氏 リサイタルに向けてのメッセージ(YouTube)

 

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